第47回 アドラー心理学って何? パート1
アドラー心理学をもとにした『嫌われる勇気』という本がベストセラーになり、英語版も『 The Courage to be Disliked』というタイトルで出版されています。このタイトルは『和』を大切にする日本人にとってはとても心にグッと来るタイトルですよね! ただ、アドラーは『嫌われる勇気』を持ちましょうと言っているのではなく、『不完全であることに勇気を持ちましょう』と言っています。
私は、アドラー心理学をバックグラウンドとしてカウンセリングを行っているので、実際にこの本を読まれた方から分かりにくかった箇所を聞かれることもよくあります。日本ではこの本がドラマ化もされ、とてもアドラー心理学への関心が高くなったようです。
そこで、今月から数回に分けて、アドラー心理学について少しシェアさせていただきたいと思います。まずはよくクライアントさんから聞かれるアドラーの考え方について。
■思いぐせと行動パターンはどこから来るのか?
『嫌われる勇気』の本の中で『トラウマは存在しない』という項目が出てきます。これはどういう意味なのでしょうか? アドラー心理学の視点からお話しすると、私たちは5歳までにこの社会がどういう所なのかを無意識のうちに構築していきます。例えば、『三つ子の魂百まで』ということわざがありますが、アドラー心理学の中では『五つ子の魂百まで』。私たちは子供の頃、何をするにしても親や大人、周りの人の助けなしには何もできませんし、やりたいことがあればいちいち大人の許可がいります。大人はそれが当たり前と思いますが、子供は自分が社会の中でとても小さな存在に感じます。そのため、どうすればサバイバルできるかどうかを感じ取っています。
チャーミングでいればいいのか、賢くなればいいのか、かまってちゃんになればいいのか、それともいい子になればサバイブしやすくなるのか…。
そうやって、5歳までに無意識に構築したレンズで、大人になっても社会を見ていると言われています。この見解からいくと、オシャレにとても興味がある女性は、もしかしたら子供の頃に『かわいくしていると世渡りしやすい』と、どこかで感じ取ったのかもしれません。
ですが、生まれつきの性格というのもあります。もともと保守的な人が『かわいくないと見放される』と幼い時に感じ取っていれば、特に好きでもない流行に敏感になり、おしゃれな人たちと付き合いながら、『流行に敏感な自分』を演じ続けて、自分を自由に表現できなくなります。こうやって子供の頃からの無意識にセットされた思いぐせが、どこかでリセットできないと、『何だか自分が見つかっていない…』気がするという、『生きづらさ』と付き合っていくことになるのかもしれません。
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