ホテルのかしこい泊まり方

tabi

「ビジネスホテル程度でいいので」とは、日本からのお客様がカナダのホテルを予約される時におっしゃる決まり文句。でも残念ながらカナダには、日本のように室内備品やアメニティーの整ったホテルはありません。歯ブラシ、歯磨き粉、デンタルキッ
ト、ブラシ、コットン、爪やすり、ネイルリムーバー、ヘアゴム、洗顔料、化粧水、乳液、メーク落とし、シェービングキット、ヘアートニック、ヘアーリキッド、アフターシェーブローション、ボディーローション、裁縫セット、入浴剤、スリッパ、浴衣、パジャマ、テンピュール枕、ナノケアドライヤー、空気清浄機、ウォシュレットなどなど、一部の最高級ホテルを除き、ぜーんぶナイと思って間違いありません。 

 では何が客室に備えられているでしょう。バスタオル、ハンドタオル、体洗い用のウォッシュクロスと呼ばれる小さなタ オルの3点セット。石けんとシャンプー&リンス、ちょっといいホテルならシャワージェル。ふつうのドライヤーにアイロンとアイロン台、コーヒーメーカー。e4fb4b06883455f26446a7fde8beca0a_m一流ホテルならバスローブや置き傘、マウスウォッシュにシャワーキャップ。スリッパもあればラッキーな気分になります。つまり、上記以外の備品は、宿泊客が持ち込むことになっています。カナダでのご旅行には、歯ブラシと歯磨き粉をお忘れなく。

 部屋にはないけれど、ホテルから無料で借りられるものもあります。電気ケトルや加湿器、電子レンジ、ベビーベッドや乳幼児の遊び場になるベビーサークルなどが一般的。キッチンやミニキッチンがなくても、ワイングラスやワインオープナー、ナイ
フやフォークなどのカトラリー、お皿なども、客室係に頼めば持ってきてもらえます。糖尿病の治療薬であるインスリンは、未開封なら要冷蔵なので、ミニ冷蔵庫を部屋に入れてもらうこともできます。ただし、どの備品も数が限られているので、必要なら
予約時にリクエストしておきましょう。 

a99d0f3d24d5bcd53523c355e160a016_m 日本のホテルには、グループや家族旅行のために、ベッドが3〜4台ある部屋もあります。カナダのホテルでは、ベッド1〜2台が基本で、1室を3人で利用する場合は、折りたたみベッドを1台1泊20〜40ドルで借りることになります。簡易ベッドは1室に1台しか入れられないので、4人目はベッドシェア。女子4人組の卒業旅行なら合宿みたいでワイワイ楽しいでしょうが、どちらにしても寝心地はあまり良くないので、大人旅なら2名1室利用がベスト。 

 では、広いスイートルームなら3人以上で泊まれるかと思いきや、上級カテゴリーの客室はキングサイズの巨大ベッド1台に広いシャワールーム、バスタブなしが常識になりつつあります。高級になるほど、ソファーベッドもありません。そこで、4〜6人の家族旅行には、ベッドルーム1〜2室で楽々泊まれるコンドミニアムタイプのホテルをご紹介しています。調理器具が揃ったフルサイズのキッチンも付いているので、一般のホテルより便利。
マーケットで地元の食材を買ってきて、ミニパーティーを楽しむこともできますね。 

28c7ed9af35d4516deb8a0d71b964ed8_m 4つ星以上のホテルには、宿泊客の要望に応えるコンシェルジュが常駐しています。観光案内からレストラン予約、コンサートなどのチケット購入、プライベート・ガイド手配、体調が良くない時の医療サービスなど、滞在中は何でも相談しましょう。特
別なことをお願いした時にチップの渡し方がわからなければ、美味しいお菓子などでも大丈夫。ホテルのスタッフに感謝の気持ちを伝えることは、プロのサービスを引き出すコツです。


石川まりこ

石川 まりこ:兵庫県神戸市出身。日本で海外旅行専門添乗員として約 50 ヵ国を案内、その後、カバン専 門商社のビジネスコーディネーターとしてフランスとトルコに駐在。 1992 年 3 月、カナダに移民。現在はツアープランナー、ツアーガイド、トラベルライター、フリーランス 翻訳者として幅広く活躍。2013 年エイチアイエス・ワールドベストガイド賞受賞。 Twitter や Facebook で、美味しいバンクーバーや知ってるようで知らないカナダ、この地で暮らして感じたこと見知ったことをポジティブに情報発信する。現在、ARA Professional Travel & Support Inc. 勤務。 ツイッター:twitter.com/Natulive_Canada

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