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どこかで見た人が出ているかも?-Made in Vancouver のドラマ

どこかで見た人が出ているかも?-Made in Vancouver のドラマ

 “Hollywood North”(北のハリウッド)の別名を持つバンクーバーでは、多くの米国資本の映画やドラマの撮影が行われている。世界でも有数の巨大な撮影スタジオ、豊富な人材、海あり山あり都会ありの便利なロケーション。
バンクーバーを撮影地とするメリットは色々あるが、こうした撮影をする上で欠かせないのがBackground、いわゆるエキストラの存在だ。今回紹介する2 つの作品は、いずれも「日本」が重要なファクターとなっていて、日本
人を始め、アジア系エキストラが多数採用されている。

『The Man in the High Castle』
 Amazon Prime Video で配信されているAmazon オリジナル作品。Philip K.Dick による同名小説をベースに、連続ドラマ版独自の内容も追加されている。
2015 年にシーズン1(全10 話)がスタートし、現在シーズン3 まで配信済。
最終シーズンとなるシーズン4 は11 月15 日に配信予定
 第二次世界大戦でドイツと日本が勝利を収めた世界。アメリカは東西に分断され、ナチスと日本に統治されている。政府転覆を狙うレジスタンスと体制側との戦いを描くこの作品には、日本の軍人や政治家、さらには皇太子や
皇太子妃などの重要な日本人キャラクターがたくさん登場する。エキストラには日本人はもちろん、中国人、韓国人などのアジア系の人達も総動員され、「アジア系エキストラ特需」が起こった。

『The Terror』- シーズン2
 史実を基に作られたホラードラマ『The Terror』シリーズは、アメリカAMC 局で放送され、Amazon Prime Video で世界的に配信されている。
 シーズン1 では、1800 年代に北西航路を開拓すべくイギリスを出港したまま、誰一人として戻ってこなかったフランクリン探検隊の史実がベースだった。シーズン2-Infamy(= 不名誉、汚名)は、第二次世界大戦中の日系人
強制収容所や日系コミュニティーの歴史を背景に、幽霊や怨念、呪いなどが日本風テイストで描かれている。日系人への差別や迫害といったアメリカにとっての負の歴史に正面から挑んだという点で注目を集めた。
 展開上、役者さんが日本語を話すシーンが出てくるが、皆が皆流暢なわけではないので、正直なかなか怖いシーンに没頭できない点もある。が、そこは怖いのが苦手な人でも見られるという配慮、と割り切って見よう。

高野 宣李(たかの せんり)
Twitter: @usagy_van
さすらいの旅がらすライター。2002 年からバンクーバーに在住。好きな海外ドラマ、映画は数知れず。面白ければ何でもござれの雑食系で、カナダ、アメリカ、日本を股に掛けて映画やテレビを追っ掛ける日々。

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