英語はこうやって勉強しよう!
⑪スピード

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⑪スピード

 さて、先月号でお届けしました「会話でコミュニケーションができるようになることに焦点を当てた英語学習」の道のり。まずは簡単におさらいしましょう。

1)初級文法習得
 英語の文章がどういった組み立てになっているのかまずはルールを知ろう! サッカーで言うところの、「ボールを手で取ってはいけません」といったルールを学ばずして、試合では勝てませんからね。

2)英語への慣れ
 組み立て方がわかったら早速使いましょう。この段階では「とりあえず単語をぶつけるぜ!」ではいけません。せっかく文法ルールを学んだのだから、できるだけ文法的な文章で(短文でも大丈夫!)英語を使い始めましょう。

3)正しい発音
 文法も覚えていざ使おう!と思っても、なんか通じないな…と思ったらそれはきっと発音のせいです。英語学習の早いうちに、正しい発音を手に入れましょう。
 さあ、今月号では後半2ステップのうち1ステップをご紹介いたします!

4)スピード
 またサッカーに例えましょう。ルールもわかった。ボールも蹴ることができるようになった。さらに、狙ったところに上手にボールを届けられるようにもなった。これだけでは十分ではないのでしょうか? 先月号でも書かせていただいたのですが、もちろん、どこまで英語のレベルを上げたいかは人それぞれだと思います。時間とお金の問題もありますよね。でもさらに上を目指すのであれば、次は「本試合に向けて、練習試合を重ねる」ことです。止まっているボールを集中して蹴るのであれば、狙った場所へ飛ばすことができるでしょう。けれども実際の試合では、ボールが止まることはないわけで…。流れるようなスピードであっちこっちへ飛んでいくボールがいざ自分のところに来た時に、そのスピードを止めずに、狙った場所へ届けられるでしょうか。英語学習では、一つひとつの単語や文章に集中して、時間をかけて発することはできるようになっても、それほど待ってくれるのは学校の先生くらいなわけで。本当に英語話者と渡りあっていけるようなスピーキング力を目指すのであれば、流れるような会話の中で何か話題をふられたら、ある程度の速さで返答していく、という練習です。ここまでの練習をしている方はなかなかいらっしゃらないので、この記事を読んでくださっている皆様は、ぜひぜひ頑張ってみていただきたいです! 私の教えるコースでもまさにこのスキルを徹底演習しているのですが、シンプルなルールは「何か聞かれたら『とにかく速答する』」、です。Do you like coffee?” と聞かれ、頭の中では「好きかって聞かれると大好きってわけじゃないけど、別に嫌いでもなくて、毎日朝は飲みたいけど本当はなるべくカフェインを減らしたいって思ってるからコーヒーがなくちゃならない!ってわけでもない」など、頭の中では複雑な意見がぐるぐる回りがちですが、「答えは『Yes かNo かI don’t know のどれか』」だと思ってみましょう。返答内容が3つに1つだと思うと、素早く選びやすいはずです。コーヒーに対する複雑な心境は、その後にゆっくりと付け足せるだけ付け足せばいいわけで、まずは相手に大枠の答えを「スピーディーに」返す練習をしてみてください。私の生徒さんでもよくあるのが、“Do you like coffee?” “Ah…um… well, I… don’t drink it every day…. but… it tastes good… so…” という感じの「まったり」とした答え。けれども英語では、聞いた相手は大きなフレームワークとしてのYes かNo かI don’t know をまずは期待しています。なので、会話の相手が何かの質問を始めたら、頭の中で速攻「Yes かNo かI don’t know」を見極めてください。そして相手の質問が終わるや否や、その返答をするのです。そしてできれば、プラスもうひとセンテンス(その簡単な理由など)をゆっくりと付け加えてみるのもいいでしょう。“Do you like coffee?”“Yes! It tastes very good.” / “Yes, why not? Coffee here tastes better, actually.” / “Not really. I hear it’s not good for health.” / “Well, I’m not sure. If it’s offered, I’d drink it though.” などなど。  

次回はいよいよ最後のステップです。

記事提供Vector Internaitonal Academy

筆者プロフィール:Mari Kato
University of British Columbia (UBC) 大学院教育学修士号取得(英語教授法)。大阪大学大学院言語文化学修士号取得。
カナダのカレッジで通訳翻訳コースを10 年間教えた後、「短期間で英語を話せるようにする学校」Vector International Academy を創立。Chief Instructor として教鞭を執る一方、バイリンガル司会業や通訳業、コラムニストとしても活躍。

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