英語はこうやって勉強しよう!
③「言いたいことを言いたい時に英語でスラッと素早く言うコツは?!」

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③「言いたいことを言いたい時に英語でスラッと素早く言うコツは?!」

 3月といえば日本ではもう春の足音が聞こえてくる頃ですが、バンクーバーではまだまだ普通に冬服ですよね! バンクーバーで出会った友だちとの思い出を胸に日本に帰国される方、また、期待に胸を膨らませて日本からバンクーバーに足を踏み入れる方がたくさんいらっしゃる時期でもあります。
Many of my students are also leaving for good.
(私の生徒さんも多くが日本に帰国しちゃうんですよ)
 この“for good”。直訳しないでくださいね。私のようにもうカナダに住んでしまっている場合、友だちの結婚式があるから、とか、日本で法事があるからと、一時帰国する時に“I’m going back to Japan next week.” なんて言うと、たいてい友だちに“For good?!” とびっくりされたりします。さて、この“For good”、日本語で言うとどんな感じでしょうね。ちなみに辞書で引くと、for good = 「永遠に、これを最後に」と出てきます。
「来週日本に帰るんよね」「永遠に?!」
驚きすぎ。てか、ドラマチックすぎ。
「来週日本に帰るんよね」「え?! でもまたカナダに帰ってくるんでしょ?」くらいが日本語訳的には自然ですかね。
 さて、では次に、これを「逆に」考えてみましょう。
先月カナダに来たばっかりのブラジル人のお友達が“I’m going back to Brazil next month.” と言いました。「えぇ?もう帰っちゃうの?! 学校まだ全然残ってるのに。すぐカナダに帰ってくるんでしょ?」と言いたい時。
Are you sure? You’re already going back to Brazil? You still have several months at school….
でもいいですが、結局、“For good?!”でいいわけですね。よくできました。
 このように「どのような場面でどのような『感じのこと』を言いたい時にどのような表現を使ったらいいのか」さえ覚えておけば、ぐぢゃぐぢゃ言わずに直球で返すことができるんですね。
 英語の勉強に、日本語は介さない方がいいのでしょうか、とよく聞かれます。聞かなくとも、介さない方がいいに決まっている!と思っておられる方も多いのではないでしょうか。英語教授法的に言うと、英語を英語で教えるという直接法という教え方があります。確かに英語漬けなので伸びるでしょうし、学習者が小さい子供の場合は効果が高いでしょう。成人学習者で特に初心者の場合は、むしろ「サバイバル」すぎて、「時間がかかりすぎる」「わからない部分が多すぎてしんどい」とネガティブな側面に目がいってしまうのではないでしょうか。留学期間中は、限られた資金と時間の戦いです。私の教えるVector International Academyでは私たち教師もそれをよ~くわかっているので、「効果」が上がることを一番のポイントにしたカリキュラムで授業を展開しています。日本語を介す、というわけではなく、日本語で言いたい『感じのこと』つまり『意味合い』を、すかさず英語にする、という演習がてんこ盛りです。このように、「こういう時って『こんな感じ』のことが言いたいよね~」という言いたい内容を「言葉」や「文字」ではなく『感じ』(これをVECTOR では、頭でもくもくっと出てくるイメージのようなもの=【visualization】と言っています)を英語化する演習を山ほど行うことで、その場その場で言いたいことが言えるようになることを目指しているんですよ。
 じゃ、もひとつやってみましょうか。
「このアーティストは自分の作品を、『できるだけ他では見たことがないようなもの』にしようと心がけています。」
さ、曲者はここね→『できるだけ他では見たことがないようなもの』…what you have never seen anywhere before. うん、そうね。でも、長くないっ?!というわけで、言葉をそのまま述べるのではなく、ここで言いたい『感じのこと』を考えると…! あ、そっか、“unique” の一言でいけちゃうんですね。This artist attempts to make her artworks “as unique as possible”. あー、さらっと言えちゃう。なんかスッキリでしょ?
 「先生、見える世界が違います!!」英語が素早く話せるようになった私の卒業生さんはよく、こんなコメントをくださります。それはまるで、初めてスキューバダイビングをした時に「こんな世界があったのか!!」という驚きに似ています。せっかくカナダに来たんだもん。「その」世界が見えるようになる日本人を1人でも増やしたい!と、日々思っているところです。

記事提供Vector Internaitonal Academy

筆者プロフィール:Mari Kato
University of British Columbia (UBC) 大学院教育学修士号取得(英語教授法)。大阪大学大学院言語文化学修士号取得。
カナダのカレッジで通訳翻訳コースを10 年間教えた後、「短期間で英語を話せるようにする学校」Vector International Academy を創立。Chief Instructor として教鞭を執る一方、バイリンガル司会業や通訳業、コラムニストとしても活躍。

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