岡井朝子在バンクーバー日本国総領事
インタビュー その1

カナダ初、バンクーバー初の日本の女性公館長となる岡井朝子氏が、在バンクーバー日本国総領事に着任されて1年が経過した。在留邦人にとって日本国総領事館はなくてはならない存在ながら、普段はなかなか訪れることは少なく、領事の方々が、どういう職務にあたっておられるかをほとんど知らないという人も少なくないのではないだろうか。Oops! 社社長が読者を代表し、日本国総領事館を訪ね、岡井朝子総領事に公私にわたるお話を伺った。

岡井朝子総領事ご本人について

岡井総領事がこのお仕事を目指そうと思われたのは、どのようなきっかけや動機がおありだったのでしょうか?

私は高校2年の時に外交官を志望するようになりました。そのきっかけはノーベル財団の青年交流プログラムがあって、そこに日本代表として参加しました。当時のストックホルムでは、日本人に会ったことのある現地の人は少なく、「日本てどんなところ?」というのを私を通して「初めて知る」というような状況に直面しました。その時、自分は高校生なりに日本のことを説明しようとしましたが、うまく言えなかったこともあり、帰りの飛行機の中で日本の国際社会でのプレゼンスを上げる仕事をしてみたいな、と思いました。また自分がそれをきちんとできる人になることでそれが実現できたらいいな、と思い、その仕事とは何だろう?と考えたら、それが外交官だったのです。

子供の頃や学生時代は、どのような児童・生徒だったでしょうか。部活動などは参加していらっしゃいましたか?
小5〜中3 まで父親の仕事の関係でワシントンDC に住んでいました。編入してしばらくは言葉がわからないので、ESL、数学、図画工作などで現地学校に馴染み、苦労しながら英語も喋れるようになって…という感じでした。土曜には日本の補習校にも通っていました。
中3の時に日本に帰国して公立中学に編入した後、国立学芸大学附属高校に入学しました。
 私は4歳からピアノを習っていて高校まで続けていたのですが、高校では合唱部で声楽をやり、学園祭でオペラに出演したりしました。大学時代は、部活はオーケストラでバイオリンを弾いていました。

ご自分の性格を自己分析されたら、どんな性格だと思われますか?
私はネガティブな感情を内に秘めている、というのが苦手なんです。なので、前向き思考、ポジティブ思考だと思います。自分で努力して何とかなるものは前向きに努力して次のステップに行くようにするし、自分でどうしようもない事態については割り切って、その事態から何か吸収できるものは吸収する、ということで、ネガティブなことはどこ総領事に着任されて かに昇華させてなくす、という感じです(笑)。

総領事に着任されて

総領事に着任されて、1年が経過しました。着任される前のバンクーバーのイメージと現在のイメージはどのように違うでしょうか?
着任する前はあまりバンクーバーについてイメージを持っておらず、「カナダの西海岸の街」くらいでした。ちょうど去年の4月の末に来て、お天気も良く、風光明媚さに驚きました。バンクーバーは、素晴らしい環境の中で、日系人の歴史も長く、コミュニティーも非常に多様性があります。仕事もやりがいがあり、大変満足しています。

今回、バンクーバー初の女性総領事として着任されましたが、バンクーバーの女性の活躍に関してどうお感じになっておられますか?
 私自身はあまり「女性だから」ということを意識しないのですが、日本の女性の社会への進出は、先進諸外国に比べるとまだかなり遅れていると思います。今、日本では安倍政権が「輝く女性の社会を築く」という取り組みをしています。女性が結婚して子供を産むと家庭に入る、という状況はあまりにもったいないので、そこは今、日本は正しい方向性にあると思います。そういった面でみると、カナダの方がまだ社会として女性が働きやすい状況というのができているのではないかと思います。

バンクーバーの、ここがいい! ここが気に入った! というところはありますか?
一番「バンクーバーに来て良かった!」と思ったのは、着いて初めての週末にエリザベス公園の頂上に登って街の方を見下ろした時です。山と海を見渡して、「ああ、ここはすごいね」と思ったんです。そこが「バンクーバーはいいところ!」と思った原点です。私の総領事としての公式Facebook の背景写真もそこから撮ったものです。

インタビュー その1 に続く


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