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美しく、ぶっ飛ばされたい…!と思わせる女性ヒーローの誕生

美しく、ぶっ飛ばされたい…!と思わせる女性ヒーローの誕生  

 今年は、“女性ヒーロー元年” と言っても良いかもしれない。まずは『Wonder Woman』。世界興収8億ドル超えの快進撃ぶりだ。ワンダーウーマンは、昨年公開された『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』に登場するや否や、誰もが名前を聞いたことがあるヒーロー界の超セレブ、バットマンとスーパーマンの2大巨頭を差し置いて、映画のセンターをかっさらってしまった女性ヒーロー。そんな衝撃的なスクリーンデビューを経て、今年、満を持しての単独映画デビューを飾った。第1次世界大戦真っただ中のヨーロッパを舞台に、戦争を止めて苦しむ人々を救いたいと願うアマゾン族の王女ダイアナ(Gal Gadot)が、戦士からヒーロー“ワンダーウーマン” へと覚醒する姿を描いたオリジンストーリーで、続編も既に決定している。メガホンを取ったのはPatty Jenkins 監督。『Wonder Woman』で、女性監督による歴代実写映画の興行収入歴代1位を獲得した。注目すべき第2 の女性ヒーローは、そのJenkins 監督の『モンスター』(2003)で主演を務めたCharlize Theron
10kg 以上体重を増やして、実在したアメリカ犯罪史上初の女性連続殺人犯を演じ、アカデミー賞主演女優賞を獲得。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)で見せたスキンヘッド姿も記憶に新しい彼女の最新作が『Atomic Blonde』だ。ベルリンの壁が崩壊する直前の東西ドイツを舞台にしたスパイ・アクションで、「次世代の007はCharlizeに!」という声まで上がったハマり役。
 ヒールを履いた007 の誕生はさておいて、その女王陛下の国には、誕生から50 年以上に渡り世代を超えた人気を博している“ドクター” が存在する。英BBC テレビで1963 年から放送が始まった『Doctor Who』だ。宇宙人である“ドクター” は色々な人間の姿で「再生」を繰り返す生命体で、これまでに12 人の歴代ドクター(すべて男性)が存在する。先日発表された13 代目はシリーズ初の女性ドクターで、Jodie Whittaker が演じることとなった。
このキャスティングが、テニスのウィンブルドン選手権男子シングルス決勝戦の中継に続いて発表されたことからも、イギリス人にとっていかに“ドクター”が重要事項かが分かるだろう。
 今後の活躍から目が離せない大注目の女性ヒーローたちだ。

高野 宣李(たかの せんり)
Twitter: @usagy_van
さすらいの旅がらすライター。2002 年からバンクーバーに在住。好きな海外ドラマ、映画は数知れず。面白ければ何でもござれの雑食系で、カナダ、アメリカ、日本を股に掛けて映画やテレビを追っ掛ける日々。
Web 媒体を中心に海外ドラマや映画レビューなどを執筆。
海外ドラマ&セレブニュースサイトtvgroove.com
オフィシャルブログ『usagy のアメリカンTV 気まぐれウォッチング』を不定期更新中。

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