社長訪問:岸本 晃 「Kishimoto Japanese kitchen+sushi bar」

まずはその仕事を好きになること。そして人一倍の努力とやる気が、大きな差をつける。

 

エスニックで個性的なレストランやカフェが軒を並べる、Commercial Dr. エリア

ブロードウェイ駅から数ブロックほど北に、約4 年前にオープンした『Kishimoto Japanese kitchen+sushi bar』はランチやディナータイムともなると店の外まで行列ができる、人気の和食レストランだ。

オーナー兼シェフを務める岸本さんはまだまだ若さ溢れる30 代。日本で高校を卒業後、最初に就職したスーパーで“たまたま”鮮魚部門に配属になったことがきっかけで、料理の世界に入ることになったそう。

もともとはアパレル部門のほうで働きたくてその店に就職したんですけど、配属されたのが鮮魚部だったんです」

と当時を振り返る。自らの意思ではなかったものの、与えられた仕事には責任を持って、何でも積極的に学び取ろうとする前向きな岸本さんは、毎日新しいことを学べる喜びを感じながら、魚の裁き方を覚えていった。

1 年後に寿司屋に転職後も、持ち前の向上心と、仕事に対する熱心さは変わらず、毎朝、開店前の仕入れにもすすんで大将に付き添い、市場に並んだ魚の選び方、見分け方を学び取っていった。

 こうしてさらに3年が過ぎた頃には、寿司職人としての腕が磨かれたばかりでなく、すっかり大将の信頼も得ていた岸本さん。新店舗の出店に伴って、京料理を専門とする料理人が新しく入ってきたことをきっかけに、今度は寿司以外の世界にも興味を持つようになった。

仕込み、味付け、盛り付けに至っても、また一から覚えることばかりだったが、懸命に勉強をして新しい技術をどんどん吸収していった。

しかし、

修行年数によって上下関係が決められてしまう料理人の世界では人の何倍もの努力をしても、結局、上に上がるには先輩が退くのを待つしかないというのが実情。

悩んだ末に、その職場を去ることを決意し、生まれ故郷である大阪へと帰った のであった。
 岸本さんは、さらに修行を積むべく大阪の寿司屋で働き始めた。

2年ほど経った頃、転機が訪れる

バンクーバーで暮らす姉から、こちらへ来てやってみたら?

と言われ一念発起、日本で磨いた腕を、カナダで試してみようと、ワーキングホリデービザを利用して海を渡ったのである。

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現地の寿司屋に入り、数年かけてカナダのスタイルを学んだ後、『Kishimoto Japanese kitchen+sushi bar』をオープンさせたのは岸本さんがカナダへ来てから7 年後の、2011 年初夏。いま地元で最も愛される店のひとつになり得たのはまさに、常に前向きで一生懸命にやってきた岸本さんの努力の賜物といえるだろう。

「努力すれば必ず報われる」

夢を持ってカナダに来た、またこれから来る若者たちへ、岸本さんはエールを送る。

まずはその仕事を好きになること。そして人一倍の努力とやる気が、大きな差をつける。

毎日大盛況ですが、オープン当初は苦労されたこともありましたか?

岸本:開店当初、それなりに自信があったにもかかわらず客がさっぱり来なくて。しばらくは眠れない日々を過ごしていたのですが、オープンして4 ヵ月目のある日、地元紙のVancouver Sun からインタビューを受け、その記事が一面に掲載されたのをきっかけに一気に客が入るようになったんです。

幸運でしたが、やはりこれも努力してきたからこそだと思っています。弱音を吐くこともありましたが、いつもそばで励ましてくれた奥さんには感謝しています。それに、今は、信頼できる最高のスタッフたちが助けてくれているので安心です。k4

 

 今後はどのような店作り、またはビジネス展開をしていきたいとお考えですか?

岸本:まず、店のスペースをもう少し広くしたいので、移転を考えています。Commercial Dr. からは離れたくないので、同じエリア内で探せたらいいですね。あと先日のイベントで出店した際にも販売しましたが、自家製のアイスクリームにも力を入れていて、これはまだだいぶ先の話になりそうですが、将来アイスクリーム屋もやりたいです。また次のイベントで売り出す機会もあると思いますので、ぜひお試しください。10390389_892531500764049_8367932403561726808_n

座右の銘

一生懸命努力すれば、 運は味方する

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岸本 晃 (きしもと あきら)
1978 年 大阪生まれ
2004 年 ワーキングホリデーでバンクーバーへ  同年に結婚
2011 年『Kishimoto Japanese kitchen + sushi bar』をオープン

 


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