アメリカのTVドラマ『フラッシュ』に出演
日本の俳優とスタントマン その2

Junction

二人の出会い

ショウタ: 出会いは1回、スタントの練習場で会ったことがあって。その時は全く仲良くもなくて、「日本人ですか? 頑張りましょうね」みたいな感じで、ただ挨拶して、連絡先だけ交換して。そのあと1ヵ月半くらい全く会ってなくて。  僕は、7月から一人暮らしをしなきゃいけなくて、新しい家を探そうとしていて、1人で住むのも…と思ってたまたま携帯を見たらなぜかたまたま彼の名前が携帯に出てきたんです。それで「一緒に住まない?」って電話をしたら「お金が尽きて今日からホームレスしてるんです」って(笑)。 セイヤ: それまでアクタースクールなどにすべてのお金を費やしていて、お金が尽きたところだったんです。スーツケース持ってましたもん、ちょうど荷物を全部まとめた時に電話きたんで。出なかったら道に寝てました(笑)。2週間、彼の家に泊めてもらって、それから2人で家を探して。 ショウタ: それで仲良くなって、そのうちに「せっかくだから一緒のショーに出たいね」ってなって。Amazon Prime の『The Man in the High Castle』なんですけど、日本人だし、出たいねって。それをまず『第1の夢』にしようと。で、毎日言い続けたんです。「『The Man in the High Castle』に出たい、日本人として出たい、絶対出る!」って。そしたら2人で出ました!

Dreams

セイヤ : 3つ夢を決めたんです。1つ目が『ハリウッドの作品に一緒のスクリーンに2人で出る』。2つ目は、『ハリウッドの作品で僕が役を取り、彼がその役のスタントマンをやる』、3つ目の夢が彼の『シルベスター・スタローンと働く』とか、僕の『イ・ビョンホンみたいなレベルの役者になる』とか、それはこれから叶えていく夢なんですけど。最初の2つの夢は、僕達がそれを決めた時には遥か上にあったんです。
だから僕は彼に「2年くれ」って言ったんですよ。僕が役を取ってもその役にスタントのシーンがあるのはすごく稀だし、スタントを1人雇うのはすごく費用がかかるので、簡単なスタントなら自分でやることになるし。
 そのなかなかないことが、バンクーバーにいる2ヵ月半くらいの間で叶ったんです。最初に僕がオーディションで『The Flash』のヤクザリーダーの役を取って。
The CW という、すごく大きなネットワークの作品にまさか自分が顔を出せるなんて、もっと先のことだと思ってたんで、すごく驚いたんですが。そしたら何日か後くらいに、『この役にはスタントマンがいる』みたいな噂が出始めて。スクリプト(台本)にはそういう指示がなかったんで「え~⁉︎ 本当⁉」ってなって。それで「じゃあ、
ショウタさん、これ、どうにかして取ってよ! 2つ目の夢、叶うじゃん!」ってなって。

ショウタ : それが偶然、違う作品のスタントコーディネーターが僕に『The Flash』の日本人のスタントを探しているんだけど」って連絡をくれたんです。
それで連絡してみると最初は「ああ…ジャパニーズか…」とあまり乗り気じゃなくて。多分、『The Flash』のコーディネーターはいつも一緒にやっている知り合いのチャイニーズのスタントマンを使おうと思っていたみたいで。でも、「ヤクザリーダーの役はマイバディでルームメイトだ」って言ったらその瞬間にあっちの態度が変わって「だったらお前にやってもらう」ってなったんです。こんなにトントン拍子に2つ目の夢が叶った!って。

セイヤ:放映されてから嬉しかったのは、18歳の時、アメリカにいた時の高校の友達が電話してくれて。「セイヤ、まさかお前、『Flash』に出てた!?」って。
言ってなかった人から(電話が)来たんです。えっ、見てくれてたんだ!ってすっごく嬉しくて。「頑張れよ。まさかこんなになるとはな」って言われたんです。ホストファザートとかホストマザーにも1週間前に言ったんですけど、すっごく楽しみにしてくれて。あれ以来会ってなかったんで感謝を伝えたいと思いつつチャンスがなかったんです。その1週間、毎日楽しみにしてくれて毎日みんなに言ってくれて、可愛がってくれてたおばちゃんとか、みんなで家族で集まって見てくれ、それを電話で聞いた時に僕のやってることが間違ってないなと思って。
18歳のとき、初めての海外で全くわかんない時に全て一緒に、共にしてくれた感謝しきれない人に、これだけ夢を与えられたというか楽しい時間を与えられた、みんな家族で集まれる機会を与えられた、それを考えた時に、俺、自分の夢に向かって進んでるだけだけど、こうやって進んでいくにつれていろんな人を幸せにできるのであれば、俺は一生、この道で行く、って決める、いい一年でしたね。今年(2017年)は。

バンクーバーに来てからのセイヤの活動
 何も手がかりはなかったのですが、手当たり次第にあたって、できる限りのお金をアクティングスクールに使って、ヘッドショット(写真)とか撮ってコミュニティーを広げるようにして。もちろん英語の勉強もしなくちゃならないし、アクティング(演技)、パフォーマンスも勉強しなくちゃいけないので、いっぱいアクティングスクールに行きました。無我夢中で。そしたら結局お金がなくなって(笑)。家を追い出されて。そこで出会ったのがショウタさんでした。
 お金がなくなって、クレジットカードに借金ができましたが、ここまできたからにはもう引けない、ずっと続けてやる、絶対仕事を取るまでやってやる!という決意でやってたら、最初の仕事、Amazon PrimeのMan in the High castleの仕事が入ってきて。

仕事の経緯
 その仕事はエージェントから入ってきたのですけど、ショウタさんがもともと、スタントマンとして働いていて。僕自体はエージェントを通してオーディションを一度受けて。小さい役だったんですけど、キャスティングディレクターに「僕は日本人としてもう少し大きい役がやりたい」とちゃんと自分の夢を伝えて、(僕の叔父の家系が特攻隊だったということや祖父が寺の人ということもあり日本日本した環境だったので、「そういう役は絶対僕がやります!」と伝えて)そしたらキャスティングディレクターと僕のエージェント、スタントコーディネーターが話してくれて、僕をこの役だけじゃなくてこれからもずっと使ってあげよう、ということになり、今、こうして二人でいっぱい出てるんです。
 今まで払ってきたアクティングスクール代などのそれまでに使ったお金は最初の仕事と次の仕事ですべて取り戻しました(笑)。そこから鰻上りで今、やっています。

セイヤの今後の予定
 (Man in the High castleの)シーズン4も声がかかっています。
日本人の役ですけど。それは僕の夢の一つでもあるので、しっかりとした日本語で日本人らしく演じたいです。ハリウッドのドラマですが撮影はバンクーバーです。予算が世界3番目という大きい作品ですので関われて光栄です。最後のパーティーにも全役者が呼ばれます。

-今後、日本でも映画関係やドラマ関係の仕事をされますか?
 もちろん機会があれば。でも「日本人として世界で活躍する」というのが僕の基盤みたいなものなので、そこはやっぱりある程度基盤ができるまでは揺るがしたらダメかなと思っています。

-今はヤクザリーダー(The Flash)とか日本人らしい役柄ですね
 次のレベルとしてはやはり日本人の役者が踏み入れたことのないフィールド、「日本人じゃない役」とか「アメリカ生まれのアジア人」とかを演じたりしたいです。そろそろ日本人もハリウッドで活躍していかなきゃいけないと。僕らがそれをやりますよ!

ワーホリの皆さんへのメッセージ

セイヤ : 1つ言うなら、絶対夢は叶うものだから。必ず叶うから、辞めなければ。それは絶対、間違いがないと思ってるし。もし2つ道があって、1つの方が「怖いな、でもワクワクするな」っていうのがあったら、必ずそっちの方に行けば、絶対成功するって俺は思っています。それが自分の「人生の方程式」みたいなもんなんで。
やっぱり海外に出るっていう決断はすごく大きいものだと思うし。自分は何かの決断をして海外に日本人として来てるんだっていう気持ちだけは絶対に持っていれば、意外と物事は簡単に進むかもしれないと思っています。
ショウタ : ワーキングホリデーに関してなんですけど、ワーホリって、僕らみたいにハリウッド作品にも出られるし、石油だって掘れるし、イエローナイフで温泉だって掘れるし、何でもできる「魔法のチケット」じゃないですか? 
1年間、自分の好きなことしていい、何個掛け持ちして働いてもいい、何時間働いてもいい、もう「魔法のチケット」ですよね。
それをどう使うかは皆さんの自由ですけど、せっかくカナダに来て1年間、好きなことは何でもできる「魔法のチケット」を持っているのだから。
何かを変えたくてカナダに来たんだから、1歩踏み出すのは怖いですけど、やることをやったら絶対にできるんで。最初にカナダに行こうと思った目的が、カナダへ来てだんだん薄れて行くと思うんです。
学校に行って、日本食レストランで働いて…。「やりたいこと」がどんどん「生きていくためにやらなきゃいけないこと」になっているのも…。
「魔法のチケット」が切れないうちに、何か一発、やってもらえたら嬉しいかなって感じですね。やれば何でもできる!


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