【長浜央尚】【Azade Ghassemi】2月16日号
カバーモデルストーリー

今回の表紙は、Oops! 初の国際結婚カップル、長浜央尚( ながはまひさなお) さんとAzade Ghassemi(アザデ・ガセミ)さんご夫婦。買い物先で出会うお二人の仲良しぶりが素敵です!と、いち読者からの強い推薦をいただいて、表紙モデルが実現した次第。日本とイランとカナダを結ぶ、偶然が生んだ奇跡の出会いのストーリーをお届けします。

Japan meets Iran in Canada  
Feb16201161 東京で電気関係の会社員だった央尚さん。もともと海外にそれほど興味 があるほうではなかったという。ところが就職して2 年目、2 ヵ月間のエ ジプト出張の辞令が下される。発電プラントの工事をサポートする仕事で、 日本からだけでなく、アメリカ、スペインなど各国からのたくさんの技術 者が来ていた。その中での共通語は当然、英語。けれど、当時の央尚さん は「イエス、ノーしかわからないぐらい」の英語力、同僚たちと全くコミュ ニケーションを取ることができなかった。その時に、英語ができたらもっと楽しいのにな、とつくづく思ったそうだ。
 帰国後、仕事の合間に独学で英語を学んではみたものの、なかなか上達 するのは難しい。そんな時、親類からワーキングホリデーのことを聞き、 英語環境に身を投じてみたら何か変わるんじゃないかと思い、8 年間のサ ラリーマン生活にピリオドを打って、カナダ渡航を決めたという。 「最初は1 年で帰るつもりだったんです。1 年過ごしてから、日本に帰っ て再就職しようと思ってました」。  

 イラン生まれのAzade さんは、父親の仕事の関係で日本人と関わること が多く、「My 箸」を貰ったりして、日本の文化が大好きだったという。高校生の時に、文科省の奨学金を受け、外国人留学生として単身日本へ渡航。 東京の日本語学校で1 年、その後山口県の高専で3 年間の学生生活を送っ たAzade さんは、「すごく楽しかった、もっといたかった!」と、日本へ の熱い思いを口にする。最後の1 年間は寮を出てアパートで一人暮らし、 近所のスーパーでレジ打ちのバイトをして、普通の日本人の暮らしを堪能 したそう。  
 留学を終え、両親が移住していたカナダに住むことになったAzade さんには、以前から抱いていた「夢」があった。
それは、

自分でカフェを開き たい

という夢。
 経験を積むためにカフェで働き始め、2 年後、ノースバン クーバーのLonsdale Quay Market の2 階に、小さいながらも念願の自分の店を持つことができた。  
 2010年2月、カナダに渡航した央尚さんが、仮の宿を確保したのはノースバンクーバー。下調べもせずに来たため、全く勝手が分からないまま、 最初の2日間は当てもなくブラブラしていた。コーヒーでも注文しようと Starbucks に入っても、緊張のあまり頭が真っ白になって、注文もできずに列から離脱する始末。カナダに着いて3日目、困り果ててさまよう央尚さんが見つけたのは、女性が1人だけで働いていて、他に客の姿も見当たら ない小さなカフェだった。

日本からスーパースターがやってきた?!  

Feb16.20136 「ちょうど、開店前の準備中だったんです」とその時のことを振り返る Azadeさん。一方、2日間、頭の中で練りに練った英語を使って「初めて のコーヒー」を注文するぞ!と意気込んでいた央尚さん、開口一番出た言葉は「ホットコーヒー!」。しまった…と思う間もなく返ってきたのは、

「日本人ですか?」

という流暢な日本語だった。  
 当時の央尚さんのヘアスタイルは、いわゆる丸刈り、の坊主頭だった。 折しも冬季オリンピック開会の2日前。Azade さんは、てっきりオリンピック出場のためにカナダに来た日本人アスリートだと思ったのだそう。  

 夫「それで一目惚れしたみたいです!」  妻「まあ、そういうことにします(笑)」  

 アスリート疑惑はすぐに払拭されたものの、その後も央尚さんは毎日のようにAzade さんのカフェに通い続ける。正確に言えば、他にやることもなかった央尚さんは、毎日、ほとんど開店から閉店まで通い詰めていた。 おかげで、同じフロアで働く人たちから「彼は大丈夫? 仕事もしないでずっとお店に入り浸ってるけど、変な人じゃない?」と、Azade さんを心配して電話が掛かって来ることもあったそう。  
 そんな周囲の心配をよそに、央尚さんが英語で話してAzade さんが日本語で返す、というやり取りを繰り返しながら、2人は意気投合。やがてウォーターフロントのレストランで働き始めた央尚さんは、不審者扱いから昇格したばかりか、なんと渡航して半年も経たないうちに、Azade さんと2 人で開くカフェの物件探しに奔走していた。
  「1 年で帰る予定が、付き合い始めてこっちでお店をやろうという話になっていた。ワーホリらしいワーホリをする間もなく、一緒にお店を開くため に場所探しをしているなんて、まったく予想だにしなかった展開でした。 本当に出会いというのは分からないものです」(央尚さん)。  
 2011年の夏、『Java Cat Cafe』(515 Hamilton St. Vancouver) でビジネスを スタート、ほぼ時を同じくして結婚し、5 年の月日が流れた。人生のパートナーとして、ますます仲睦まじいお二人。目下の悩みは、最近できた「猫 カフェ」と間違えた問い合わせが増えていること。

「Java Cat Cafe に猫はいませんが、人間が明るい笑顔でお迎えしています!」


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