一献献上 Vol.28
新酒ができたことを知らせる『杉玉(酒林・さかばやし)』

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12月・師走(しわす・しはす)
 12月「師走」に入り、日本からは紅葉の美しい風景や初雪の便りが聞こえてきます。バンクーバーではクリスマスのイルミネーションが私達を楽しませてくれていますが、年の瀬の慌ただしさが日に日に増している頃ですね。師走は、師(僧侶)も走り回るほど忙しい月という意味ですが、「年が果てる」から“しはす”となったなど所説様々です。

杉玉(酒林・さかばやし)
 冬の到来とともに、造り酒屋の軒先に青々とした杉の葉で造られた「杉玉」を見かけたことはありませんか? これは「酒林」とも呼ばれ、杉の葉先を大きなマリのようにしたもので、直径が40cmほどから大きいものでは1mを超えるものもあります。緑の杉玉を軒先に吊すことで、新酒ができたことを知らせるもので、酒造りをしている間じゅうはこの杉玉が軒先に吊るされています。日を追うにつれ杉の葉が枯れ、杉玉が茶色に変色していきますが、これは新酒が熟成していくという意味でもあります。  

 杉玉の由来は各地で色々とあるようですが、奈良県桜井市の三輪山の麓に酒の神が祀られている大神神社があり、この杜の杉の小枝をいただいて軒先に吊るしたことから始まったといわれています。神様に供えるお酒を「お神酒」といいますが、昔は「みわ」と呼んでいたそうです。またこの神社では毎年新酒醸造の安全を祈願する「酒まつり」も行われており、大神神社とお酒には密接な関係があったのでは考えられています。ちなみに奈良県は日本清酒発祥の地とも言われています。

師走の料理と日本酒
 師走の寒い時期には美味しい食べものが豊富にありますね。私の生まれた京都には「京都の底冷え」と言われる京独特の寒さがありますが、そんな時でも湯豆腐や蕪蒸し、柳川鍋などの京料理が身体を芯から温めてくれます。冬ならではの季節の料理と一緒に熱燗やゆず酒などをいただきたいものですね。
 蔵人は凍えるような師走の夜でも、息を凝らし真剣にお酒に向き合う。そして精魂込めて醸したお酒を神に奉げるのです。

では寒い季節に一献献上!


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