語学学校の「ストライキ」

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Vancouver English Centreで、講師のストライキが続いています。

8月2日に始まった講師のストライキがまだ続行中です。CBCMetroNews で取り上げらていますが、このストライキは”学校側が要求する授業の準備に費やしている時間に対して「正当」な賃金が支払われていない”、”給料が安い”がその原因となっています。
 ここVancouver English Centre(VEC)で講師がThe Education and Training Employees’ Association(ETEA)の組合に加入を決めたのが2014年の12月。それ以降、現在までに15か月に渡って経営者側と話し合いをしてきましたが結論が得られず、ストライキに突入したとのことです。
※ほとんどの語学学校には講師の組合が存在しています。

Photo:Facebook

VECに4年勤めて組合をまとめるKim Fissel氏は、「学生には大変申し訳ないが、こうするしかなかった」とするものの、「VECの講師の給料は他の学校($20/h~)と比べて$18/h”低い”ものとなっているし、無給の準備時間の是正したい」としています。
なお、昨日まで、学校側と組合の話し合いはなかったようですが、最新の情報では、交渉のテーブルが設けられるような情勢となっているようです。解決してくればいいですが、もしさらにストが続いていくとなると、気になるのが「学生の処遇」です。

Labor Dispute(労働争議)が理由では、他校へ転校は不可

今回のような「ストライキ」による場合、他校がその原因によって、ストライキ中の学校から学生を「無償」で救済して受け入れることはできない、とのことで、VECを辞めて、新規に別の学校に「費用を支払っての入校」となるようです。

Oopsでバンクーバーのいくつかの学校に電話で確認したところ、
「当校では、VECの受け入れをしていないし、する予定もない」
「組合の関係で受け入れることは出来ないようだ」
また、数校からは
「受け入れるが、費用は通常通り支払ってもらう」
というような回答を得ています。

返金問題

学生にとって学校での授業が受けれないとられば、「返金」してくれよ、となりますが、現時点で学校側は「授業料の返金」についてはこの争議が終了してから処理方法について考える、として返金に応じていません。

「返金」は今後大きな問題になりそうです。

Language Canadaに所属していない学校

通常、語学学校は”Language Canada“(語学学校が加入する連盟)に所属しており、万一学校の倒産などによって授業ができないような事態になった場合、この連盟がイニシアティブをとって、連盟に所属する他の学校に学生を転校させるような仕組みになっています。こうしたことは過去に何度かありましたが、不幸なことに、このVECはこの連盟に加入しておらず、他校からの援助は受けられない状況となっています。

Oopsがこの学校に学生を転校させるような措置をとったかどうかを確認したところ、「VECでは一切そうしたことはしていない。学生様が申し込みをされたエージェント様にお任せしている」との回答でした。

学生からすれば、こんな騒動に巻き込まれて大変な迷惑。
まずは「返金」してくれるかが気になるところ。
「返金」はないわ、「授業」もうけられないわ、学生にとっては踏んだり蹴ったりの状況となっています。

Eiji Nakamura

20年に渡り、アブロードカナダ留学・ワーホリセンターを経営。バンクーバーで一番長くカウンセラーとして第一線に立つ。「困ったらアブロード」と留学生・ワーホリの強い味方となっています。

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