ツナママ日記
 


池亀 真輔(いけがめ しんすけ)
1983年生まれ
福島県出身
座右の銘:Just Do It!
趣味:読書・写真撮影・人の輪に参加すること
バナリタ
http://www.banarita.com


海外ならではのおしゃれなパーティーは貴重な思い出に

夢を追う。これは、子供すぎず、大人すぎない者にだけ許された特権。
バンクーバーにも、そんな夢追い人たちがいる。彼らが追いかけるものとは何か。
どのようにしてその夢とめぐり逢ったのか。
彼らは今、この街の空気の中で何を感じているのだろうか。
彼ら1人1人が自らの中に秘めているストーリーを聞く。

第78回:バンクーバーを楽しむ機会を同世代に提供したい
イベント企画会社勤務&
ソーシャルライフマガジンサイト banarita主催

池亀 真輔(25歳)

 バンクーバーってどんなところ?と聞かれて、あなたならどう答えるだろうか。そんな質問に「すごく面白い街ですよ」と即答する男がいる。10代の頃からの海外経験とイベント企画会社で培ったキャリアを通して知ったその“面白さ”を、同世代の留学生やワーホリの人たちに伝え、一緒に楽しみたい―。そんな思いから、2009年3月、バンクーバーのローカルなイベント情報を発信するウェブサイトを立ち上げた。

 
   

 小学生の頃から海外文化に興味を持ち、海外ドラマを見たりラジオを聴いては憧れを強めていたという真輔。高校1年のとき、交換留学生としてアメリカへ渡るチャンスを得た。肌で感じた海外の自由な雰囲気に「なんてかっこいいんだ!」と感動し、翌年の修学旅行の翌日、「退学したい」と申し出て周囲を驚かせた。

単身17歳からの海外生活

 幸い、両親も「日本にいても欲求不満でうるさいだけだから」と海外行きに賛成(!?)し、すぐに日本の高校を中退、アメリカ・バージニア州へ留学。夢に描いたアメリカでの毎日がスタートするが、そこでの8ヵ月の留学期間は予想以上に苦難の連続だった。通っていたESLに日本人は真輔1人だけ、家から学校まで片道1時間の道のりを、真輔は毎日なんとヒッチハイクで通った。英語を勉強し始めたばかりの自分に対する反応も、ここバンクーバーとは全く違ったという。「みんな僕の話なんて全然聞いてくれなくて。家から歩いて30分かかるマクドナルドにわざわざ行ってハンバーガーを注文しようとしたら、『お前の英語は何言ってるのか分からない。家に帰れ!』と一蹴されたり(笑)。本当に鍛えられましたよ」。しかしこの経験が真輔を精神的に強くさせ、その後ロサンゼルスに移り住んでほどなく、自らの会社設立にまでこぎつける。ビザ申請手続きの難しさから最終的に諦めざるを得なくなったものの、何物にも代えがたい自信と経験を手に入れて、カナダへとやってきた。

大切な恩師との出会い

 運命の出会いはバンクーバーで待っていた。バンクーバーには当初、ワーホリで1年間滞在。その後一旦日本へ帰国し、キャピラノ大学の学生として戻ってきた。2005年の夏、ワーホリ時代に働いていたバーの常連客の1人に、街でばったり再会する。「とても仲が良かったし、何か新しいことをしてみたくて、その人が経営するイベント企画会社で雇ってもらえないかと頼んでみたんです」。
唐突とも思えるこのリクエストだが、信頼関係が既に築かれていた2人の間では何の問題もなかった。すぐに採用され、現在ではイベントの報告記事のとりまとめを行うほか、ときにはマネージャーとしてイベント全体を取り仕切る。スタッフ管理や会場との打ち合わせなど、1日にかける電話は100本以上。苦労も多いが、高級ブランドの発表会やバンクーバーの著名人たちが顔を揃えるパーティーなど、普段足を踏み入れられないような貴重な場を体験できることも。「緊張? 僕はそんなこと考えずにとにかくその場に行っちゃいますね。ネイティブスピーカーと比べたら言葉の壁もあるけど、このチャンスをくれた恩師に感謝しているから最大限得られるものを得たいし、彼のように人との出会いやネットワークを大切に生きていきたいんです」。

バンクーバーの面白さを伝えるイベント情報を日本人向けに発信

 真輔は今年3月、『banarita(バナリタ)』というウェブサイトを立ち上げた。日頃から「カナダに来た留学生やワーホリの人たちに、もっと冒険して欲しい!」と考えていた真輔は、イベント企画会社での経験を活かし、バンクーバーで行われるパーティーやボランティアなどのイベント&タウン情報を日本人向けに発信している。地元のイベントに積極的に参加し、バンクーバーの日系コミュニティーを盛り上げようという狙いだ。
例えば、カナディアンのプライベート・カクテルパーティーなどには、正式な招待状がないと入れられないことが多いため、バナリタ側で招待状を手配しその機会を提供する。「バンクーバーって本当に面白い街なんですよ! でも、ただ待ってるだけではその輪に入れない。だから僕の恩師が僕にしてくれたように、今度は僕がみんなの背中を押す番。1万人に1人でもいいから、バナリタを通して人生を変えるような経験をして欲しいですね」。そんな想いを抱く真輔の周りには、バンクーバーのコミュニティーと若い日本人のつながりの輪が確実に広がっている。

 




 

冒険するには、深く考えないこと。
思い立ったら行動あるのみ!

 

―カナダとアメリカ、実際過ごしてみて違いは?
真輔:アメリカはとにかくノリがよくて。僕のニックネームは「JJ」なんですが、これもロスで車の免許を取ったときに、教習所の兄ちゃんが「シンスケって言ってる間に信号通り過ぎちゃうから、お前は今日からJJだ!」って。実際発音してみるとあんまり変わらないのに(笑)。そんな感じの人が多いんです。カナダの人たちの印象はもっと真面目。みんなよく働くし! カナダ人は残業しないとか聞くこともあるけど、みんながそういうわけではありませんよ。家族との時間を作ったりするのが、日本人よりもずっと上手ですね。

―海外でビジネスをすることの意味は?
真輔:僕は日本で働いていたこともあるんですが、ミーティングをしていても、カナダやアメリカだと出てくるアイデアが全然違う。斬新な案が多く、クリエイティブで勉強になります。でも日本人の生真面目さや緻密さも必要。両方あったらいいのに、と思う。これからビジネスを自分でやるとしたら? そうですね場所は世界のどこでもいい。「この人とビジネスを一緒にやったら楽しそう」という自分の感覚が頼りです。言葉や文化が違っても、ビジネスに関わっている人たちとは考えを共有できるんじゃないかな。

―バナリタの活動について詳しく教えてください
真輔:バンクーバーで行われるパーティーや交流会、ボランティア活動、トラベル情報のほか、レストランサイトとも提携してその翻訳版やタウンガイドも掲載しています。100を超えるイベント情報源の中から厳選したものだけを紹介しているのですが、これは32人のボランティアスタッフを含むたくさんの人たちやカナダ企業のサポートによるもの。ときにはプレミアもののイベントチケットもあります! 日本人はパーティーと聞くとついためらいがちですが、深く考えずとにかく一度参加してみて欲しい! イベントの様子がわかる写真もバナリタ上で見られるので、ぜひチェックしてみてください。

 

―バンクーバーでの人脈やネットワーク作りは大変?
真輔:人脈を広げよう、と意識して今までやってきたわけではないんです。知り合う人たちのバックグラウンドが興味深くて話を聞いてるうちに、そこからインナーネットワークができて、何か思いついたときに連絡をとり、一緒に何かをしてまたそこから人脈が広がる。パーティーに何度か顔を出していると、同じメンバーに再会したり、誰かと誰かが繋がっていることも多いし。去年日本でパーティーをしたときには「やっぱり言葉が通じるとラクだな〜」と思いましたけどね…。いや、それに甘えず、こっち(カナダ)で歯を食いしばって頑張ります! 

―今後の目標や、やってみたいことは?
真輔:当面の目標はイベント企画の仕事とバナリタの相互発展。今カレッジでもビジネスコースを専攻していて、将来はバナリタを中心に色々なビジネスをしていきたいと思っています。例えば、留学エージェントでも僕の行ったバージニア州のような田舎を専門にする会社とか。留学先の学校の生徒と交流ができるようなウェブシステムを作ったり。でもビジネスといっても、お金ではなく社会にどれだけインパクトを与えられるかが重要。人の為になることをやれ!という僕の恩師の教えです。

聞き手 宮坂 奈々

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