ツナママ日記
 


松井優征

魔人探偵脳噛ネウロ1〜16巻

集英社  ¥410(参考価格)
 

探偵物っぽいけど、ほとんど探偵物じゃない
 魔界から来た “謎”を食べる魔人、脳噛ネウロと、その相方となった高校生の桂木弥子が、自らの探偵事務所で起こる珍妙な事件を解決する探偵物…のような体裁を取った娯楽漫画。本格的なミステリーや探偵物を期待すると肩透かしを食らう。ジャンプ特有のバトルの味付け程度に使われるだけなので、推理パートは次の敵は誰か…といった馬当て程度に楽しむのが良いだろう。この作品最大の魅力は犯人たちのトチ狂った言動や動機。少なくとも、 犯行理由のほぼ100%が私怨の『コナン』や『金田一』ではあり得ないぶっ飛んだ思考や、異常なカリスマ性はほぼギャグの域である。また、それらの犯人を追い詰める、極度のS嗜好の魔人と主人公のやりとりも見所。漫画に何らかの異質性、異常性を求める人にはかなり楽しめるだろう。

 
夏目義徳

トガリ全8巻

小学館 ¥410(参考価格)


  罪を集める少年
  生前、人切りとして江戸を騒がせた統兵衛が地獄の頭領に派遣され、108の地上の罪を集める、という少年誌的アクション漫画。絵もいい意味で荒々しく、人の罪悪感や善悪観を作者なりに考えて話を練ってある点は面白い。ただ、少々血生臭すぎたのか、あまり評価を得られず打ち切られた。終盤で普通の能力バトルに傾いていったのも他作品に埋もれた一因かも。


     
吉住渉

ママレード・ボーイ  全8巻

集英社 ¥410(参考価格)
  夫婦交換を題材にした少女漫画!?
 両親が別の夫婦とそれぞれ恋に落ち、ダブル離婚+ダブル結婚をやらかしたという複雑な家庭環境を持つ少女、小石川光希を主人公に置いたラブコメ。同居することになった相手夫婦の息子や周りの男女との恋愛、血縁による心理の揺れ動きなど、この変わった設定をちゃんと風化させずに利用して物語を組み立てている所は巧い。非常に王道パターン的な作りだ。

     
東まゆみ

スターオーシャン セカンドストーリー 
全7巻

エニックス ¥410 (参考価格)
  ゲーム原作のバトルファンタジー
大作RPGシリーズ、スターオーシャンの2作目のコミカライズ。主人公の少年たちが異形の怪物達を倒したりしながら冒険する、ゲームっぽさが強い作品。少女漫画寄りの絵と、アクションシーンの線の細さが少々不味い気もするが、読めない程ではない。この作品の後に作者が出している『エレメンタル・ジェレイド』の方が、作品としての質は高い。

     
古谷実

僕といっしょ 全4巻

講談社 ¥530(参考価格)
 

人生について考えさせられるギャグ漫画
 作者の『稲中卓球部』等のギャグ漫画を描いていた前期と、『ヒミズ』や『わにとかげぎす』など、より人間を描く事に重点を置きだした後期。その中間に位置する作品。シュールさを伴うギャグと、荒廃した心理や周辺環境を描く側面、両面での才能を遺憾なく発揮。小中学生の家出少年、少女たちが人生について考えるのだが、ギャグとシリアスのバランスが絶妙。

     

 紀伊国屋書店ランキング TOP10 (2008年4月28日付)
順位 漫画タイトル 著者 出版社
1

エマ  第10巻

森薫

エンタ−ブレイン

2 高校デビュ−  第11巻
河原和音
  集英社
3

オトメン(乙男)  第5巻

菅野文  

白泉社
4 ハヤテのごとく!  第15巻
畑健二郎
小学館
5

多重人格探偵サイコ  第12巻

田島昭宇 大塚英志

角川書店

6

結界師 volume 20

田辺イエロウ
小学館
7 僕の初恋をキミに捧ぐ 第11巻
青木琴美
小学館
8 キャットストリ−ト  第8巻
神尾葉子

集英社

9 犬夜叉  第53巻
高橋留美子
小学館
10 チ−ズスイ−トホ−ム  第5巻
こなみかなた
講談社
  

 



西 加奈子

さくら

小学館 ¥630(参考価格)

  26万部突破のロングセラーを文庫で
 運命に翻弄され、家族それぞれが言葉にできない想いを溜め込み、例え離ればなれでも、やっぱり繋がっていた…。そんな一家のお話。人気者でモテていた兄。ほぼ対照的に地味な印象の弟と究極的に美形だが変わり者の妹。父と母、そして白に黒ぶちの中型犬、さくら。ストーリーは妹の美貴が生まれる前から始まり、兄が20歳4ヵ月で死んでから数年後の年明けに終わる。いつも温かくて、日々の暮らしに葛藤しながらも幸福に満たされていた家族は、長男の死をキッカケにどこか重苦しい家庭へと変化していた。常にさくらと5人の家族に焦点を当てながら、時系列で物語はテンポ良く進む。なぜこんなことに?と胸を痛めるも、家族でその悲しい運命を乗り越えてゆくラストシーンは清清しく、美しさにも似たエンディングを迎える。

大野 左紀子

アーティスト症候群
アートと職人、クリエイターと芸能人

明治書院
定価¥1,575(参考価格)


 

アーティストという響きが気になる人は
 クリエイターによってデザインされたアートな雰囲気。そんな表現が好きで、アーティストになりたいと思う人は読んでみると面白いかも。もちろん真剣に考えている人にも。アーティストという表現の生まれた歴史に触れ、“結局はアーティストと皆から呼ばれたいだけなのだ”と言わんばかりの鋭い意見、もとい毒舌という刃でアーティスト症候群な人々を切っていく。

   
辻 信一
幸せって、なんだっけ
「豊かさ」という幻想を超えて
ソフトバンククリエイティブ 定価¥766(参考価格)
  経済システムを見直す1冊
 幸福と豊かさはイコールで結ばれないという考えを述べた経済の本。堅苦しい言葉でガチガチな中身ではなく、幸せとは何かを考えるツールとして利用している。日本という国が息苦しい、豊かさを追い求める経済成長こそが幸せではなかったのか?と疑問を抱く人にぜひオススメ。老人や子どもを経済的負担としか捉えられなくなった日本は、果たして幸福な国なのか。




     
藤沢 晃治
頭の悪い人々
人のふり見てわがふり直す「大人の教科書」
三笠書房 ¥1,365(参考価格)
  気付けるかどうかがポイント
 著者の言うところの頭の悪い人々がいる。気付かない人、自分がない人、頭が固い人、バカになれない人。この本を読めばこの世に頭の良い完璧な人はいないことに気付くと同時に、自分のどこが悪いかも分かる。もちろん問題なのは、それでも気付けない自分の頭の悪い部分であったりするのだが。人のダメな部分を直す本ではなく、人のフリ見て我がフリ直す本。

     
芥川 龍之介

地獄変・偸盗

新潮社 ¥380(参考価格)
  芥川作品はここからどうぞ
 『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などの素材を芥川流にリメイクした王朝物と呼ばれる短編全6編。価格もお手頃で、厚さもさほどない文庫本だが、芥川作品を堪能するのにはピッタリだ。愛や悲劇を織り交ぜ、人間の奥に潜む心理のようなものを考えさせられる。代表作『地獄変』を含め、『藪の中』、『六の宮の姫君』などの人気作も含んだ、手元に置いておきたい1冊。


     

 紀伊国屋書店ランキング TOP10 (2008年4月28日付)
順位 書籍タイトル 著者 出版社
1 償い
矢口敦子

双葉社

2 水滸伝  19(旌旗の章)
北方謙三

集英社

3

黒笑小説

東野圭吾
集英社
4 ゆめつげ
畠中恵
角川書店
5 震度0
横山秀夫
朝日新聞出版
6

彩雲国物語  黎明に琥珀はきらめく

雪乃紗衣
角川書店
7 死神の精度

伊坂幸太郎
文藝春秋
8

霧笛荘夜話

浅田次郎
角川書店
9

白桐ノ夢

佐伯泰英
双葉社
10 替天行道
北方謙三
集英社
   
 


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