今回はOops! Sports特別編として、先日バーナビーで行われたウィールチェアーラグビー(車イスラグビー)の世界選手権をナカジがレポートします。あまりこのスポーツに馴染みのない人も、ぜひ興味を持って読んで欲しい。

文・写真 中島仁実、三好茜



 ウィールチェアーラグビーって初耳、という人でも、昨年北米で大反響を呼んだ映画『MURDERBALL』と聞けばピンと来る人も多いはず。去る6月23日から3日間に渡ってバーナビー市で開催された2006 Canada Cup International Wheelchair Rugby Tournamentに日本代表チームが出場。9月にニュージーランドで行われる世界選手権と合わせ、世界ランク7位までのチームが(開催国中国は既に出場権があるため)、2008年北京パラリンピックの出場権を獲得できる。現在日本は世界ランキング8位。パラリンピック出場に向けて、もう後には引けないぞ!
 1977年に四肢麻痺者などを対象にカナダで考案され、北欧では広く普及しているウィールチェアーラグビーは、2000年のシドニーパラリンピックから正式種目として登録された。日本での歴史はまだ浅く1996年に紹介され1997年に連盟が発足。現在は普及と国際大会の出場を目標に活動している。競技を簡単に説明すると、1チーム4名で試合は各8分間の4ピリオド。専用のボールと車イスを使ってバスケットボールコートで行われる。選手は障害レベルによって0.5から3.5の7クラスに分けられ、ボールを蹴る以外ならパス、ドリブル、持ち運びと何でもアリ。ボールと共に前輪4輪のうち2輪がゴールライン(ゴールポスト間の8mのライン)を越えてスコア。また1試合につき各選手の持ち点は8を越えてはならない。車イス同士が激しくぶつかる音、スピード感と迫力の接近プレーの連続で、「車イスの格闘技」と呼ばれているのも納得だ。
 この日行われた世界ランク3位の対USA第2試合は、パワーで押してくるUSAに日本はテクニックとスピードで善戦したものの、最終スコア40対32という結果に終わった。USAはこのトーナメントで優勝を収め、2位ニュージーランド、3位カナダという順位で、日本は残念ながら最下位で終了。でもこれで全てが終わった訳ではない。日本チームの本当の挑戦は、まだ始まったばかり。世界の壁は厚いけど、今年9月の世界選手権、さらには北京パラリンピックの出場権獲得に向けてGo Japan Go!!!
 
 
 
 
パワー同士のぶつかり合う試合は大迫力! ゲーム展開も早く一瞬も見逃せない。背番号3の選手が、『MURDERBALL』に出演したMark Zupan(写真上)
専用の車イス。激しい戦いの跡が残る(写真下)
 
     
 


ナカジ
今日のUSA戦はすごく迫力のある試合でしたが、出来はどうでしたか?

島 川 前半の勢いが後半そのまま保てたら良かったのですが。日本チームはスピードでは世界レベルでも、選手層が他と比べて薄いのが問題。チームとしての課題は腐る程ありますが、でも最近やっと先が見えてきたなって感じです。
中 里 今までUSAとは何度か試合をしたけど、まともにやり合えたのは今回が初めてじゃないかな。ちなみにUSA3番が「MURDERBALL」にも出演したスターMark Zupanです。
ナカジ ウィールチェアーラグビーの魅力ってなんだと思いますか?
島 川 ゲームの切り替えや展開の早さ、迫力とパワーの衝突が大きな魅力だと思います。
中 里 パワーとパワーのぶつかり合いは、プレーしてて楽しいですね。ぶつかり合う時の衝撃がだんだん快感になってくるんです。
ナカジ 日本代表としての今後の抱負を聞かせてください。
島 川 チームをもっと統括し、より良いチームプレイができればと思います。世界ランク8位を脱出して、目標は4年後の北京パラリンピックに出場することです。
中 里 世界選手権では(障害クラス)2.5でBest Playerに選ばれたい! そして北京出場に向けて、確実に世界ランクを2、3位は上げていきたいですね。
ナカジ 僕も日本人たちの動向をチェックしますので、北京に向けてがんばって下さい。ありがとうございました。

 
−参考データ−

日本ウィールチェアーラグビー連盟のホームページ
http://www17.ocn.ne.jp/~jwrugby/

2006 Canada Cup
http://www.cwsa.ca/canada-cup-2006.html

 

 
 
島川選手(1番左)、中里選手(左から2番目)と全日本代表選手の皆さん。ナカジ、ボランティアの小川さんと一緒に
   
ウィールチェアラグビーの存在を世界に知らしめた映画『MURDERBALL』。かなりおもしろい映画です。日本では今年9月下旬より公開!


肉弾戦が魅力
ウィールチェアラグビー!

 ウィールチェアーラグビーはすごい迫力だった。アイスホッケー、ラグビーの要素も含まれているということでワクワクしながら観戦に行ったら本当に激しい当り合い。会場内で本当にウィールチェアーのぶつかる音が響き渡るんだ。ぶつかり合いでウィールチェアーごとひっくり返る選手もいるしね。アイスホッケーもそうだけど、スピードをつけて人に向かって行くのって本当に勇気が要るし、実際にぶつかった時はすごい衝撃なんだよね。自然にムチウチに強くなりそう。
 今回アメリカリーグでMVPになったSHINさん、そして沖縄ハリケーンズの主将でもあるSHINさんのダブルSHINさんにインタビューしました。「とにかく北京オリンピックに出場したい」と話す2人の真剣な目を見て、「やっぱり目標に向かうアスリートはいい!!」と思った。今はJust for Funのホッケーしかしないナカジだけど、いつも優勝を目指していた現役の頃を思い出し熱くなりました。ダブルSHINさん、そして日本代表のみなさん。絶対絶対北京オリンピックに出て下さいね! ナカジもそしてナカジよりも熱い男小川学くん(マッサージ師、ボランティアで代表チームをサポート)も応援してますからね!
  中島仁実(31)
1974年北海道生まれ。早稲田大学を経て古河電工とプロ契約、その後日光アイスバックスでプレーした。4年前にカナダに渡りコーチングを学ぶ。同時に日本におけるアイスホッケーの普及活動に励む。

※「ナカジの私見」コーナーでは、ホッケーについての質問を大募集しています。どしどしお便り待ってます。問い合わせmail@oopsweb.com
 
   

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