endocrineはhormoneを血流に乗せて体中を巡らせることが可能なため、分泌臓器から離れた臓器を調整することが可能であり、神経系
nervous systemと並んで人体の調節系として機能しています。
医学の中でこの内分泌を専門とする科は「内分泌科」“endocrinology”と呼ばれ、その専門医 specialistである「内分泌科専門医」“endocrinologist”は内科専門医
internistとして活躍しています。
知っていて損はしない内分泌の器官
次に、内分泌系endocrine systemの器官 organにはどのようなものがあるのか、代表的な器官を頭部から順に見ていきましょう。
脳の視床thalamusのすぐ下に「視床下部」“hypothalamus”(“under the thalamus”の意) という器官があります。これは内分泌系全体を調整するホルモンを分泌するだけでなく、自律神経
autonomic nerves の調整等も行っています。
「下垂体」“pituitary gland”は文字通り脳の腹側に「ぶら下がっている」形で存在し、さまざまなホルモンを分泌しています。hypothalamusと並んで他の内分泌臓器を調整するだけでなく、身体の成長や血圧の調整等に関するホルモンも分泌しています。
皆さんの中にもドクターに喉を触られて「唾を飲んで下さい」“Please swallow”と言われた経験をお持ちの方もいることでしょう。実はこれ、「甲状腺」“thyroid
gland”という臓器を触診しているのです。thyroid glandは身体の代謝 metabolism を調整する器官ですが、thyroid
glandの中に埋まっている小さな「副甲状腺」“parathyroid gland”はこれとは関係なく、カルシウムとリンの調整等を行っています。
腹部に目を移すと、腎臓の上に帽子が乗るような形で「副腎」“adrenal gland”があります。これは身体の恒常性を保つために実にさまざまなホルモンを分泌しています。また「精巣」“testicles”や「卵巣」“ovaries”、そして妊娠している女性では「胎盤」“placenta”も内分泌器官として機能しています。
このほか「腎臓」“kidney”や「膵臓」“pancreas”等、他の機能を持ちながらホルモンを分泌している器官もあります。特にpancreasの分泌する「インシュリン」“insulin”は、ホルモンとしてあまりにも有名ですね。
知っておきたい内分泌の病気
これらの器官から分泌されるホルモンが、さまざまな理由で多くなったり少なくなったりすることが、内分泌に関する病気の原因です。ホルモンの量が増えてその働きが強くなってしまうことを「機能亢進」
“hyperactivity”と言い、逆に弱くなってしまうことを「機能低下」“hypoactivity”と言います。
「甲状腺ホルモン」“thyroid hormone”を例にとると、その働きが強くなった病態を「甲状腺機能亢進症」“hyperthyroidism”と言います。これは日本語では「バセドウ病」“Basedow's
disease”として広く知られています。しかし英語ではむしろ“Graves' disease”という名称の方が一般的なようです。thyroid
hormoneは「全速力で走る時等に必要なホルモン」と考えて頂ければわかりやすく、その働きが強くなってしまうこの“Graves'
disease”では、頻脈rapid heart rate、高血圧high blood pressure、発汗過多sweat a
lotや体重減少weight loss等が症状として現れます。
これに対して「甲状腺機能低下症」“hypothyroidism”では thyroid hormoneが不足して多様な症状、つまり疲労感fatigue、便秘constipation、体重増加weight
gain等が現れます。日本語で「橋本病」とも呼ばれるこの病気は、英語でも“Hashimoto disease”として知られています。
このHashimoto diseaseは女性に多く、40代以上の女性の1〜2割にあると言われています。読者の皆さんの中でも上記の症状に加え、身体がだるいfeeling
sluggish、肌が乾燥するdry skin、声が低くなるhoarseness といった症状が続く場合、一度ドクターに相談してみて下さいね。
Oops!での『Medical いんぐりっしゅ』はこの号をもちまして終了させて頂きます。約3年間にわたりご愛読頂き、本当にありがとうございました。6月からはOops!姉妹誌「Coco
Magazine」にて連載致します。これからもバンクーバーの皆さんに「医療英語」に関する情報をお伝えすべく、より充実した連載を目指して頑張ります。新連載の第1弾は「腰痛の英語」がテーマです。「Coco
Magazine」での連載もどうぞお楽しみに!
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