真島 由佳(マジマ ユカ)
シンガーネーム:avi
生年月日:1981年5月10日
出身地:福島県郡山市
2006年1月18日:ワーキングホリデーでカナダ入国
特技・趣味:ピアノ・ゴルフ・スノーボード
(ゴルフでは高校時代、福島県の国体強化選手に選ばれている)
好きな言葉:ありがとう
モットー:何事も最後までやり遂げること
【『Japanese Dream Audition』は、6月30日に応募が締め切られましたが、興味のある方は、http://www.j-dreams.net/html/v_audition.htmlをご覧下さい】
メロディー奏でるステージという夜空でaviの歌声が煌く
 
夢を追う。これは、子供すぎず、大人すぎない者にだけ許された特権。
バンクーバーにも、そんな夢追い人たちがいる。彼らが追いかけるものとは何か。
どのようにしてその夢とめぐり逢ったのか。
彼らは今、この街の空気の中で何を感じているのだろうか。
彼ら1人1人が自らの中に秘めているストーリーを聞く。

                       
“Stardust”煌く中、“Fly Me To The Moon”
第41回: ジャズシンガー
真島 由佳 [avi] (25歳)

ピアノとベースのイントロ―それに寄り添うかのように、aviの甘美な歌声が語り始める―かつての恋人の名を呼ぶ男の、望郷そして悔恨の情を切々と―店内のざわめきが静まり、揺らめく琥珀の色彩と漂う紫煙が溶けなずむ…♪Georgia on my mind…

 
 

第1フレーズ:Yuka in wonderland
 由佳は、3歳から15歳までピアノのレッスンに励んだ。そこで培われた音感と天性の美声が、高校生になる頃に萌(きざ)した折しものカラオケブームで、実を結ぶことになる。自他共に認める歌唱力。しかもカラオケボックスの女王だけでは終わらない。他校のバンドにボーカルとしてスカウトされ、ライブハウスにデビュー。拍手喝采の中、スポットライトを浴び立ちつくす由佳―観客の前で歌うことで湧き立つ、えも言われぬ悦楽に浸りながら―その感激が、可憐な乙女にスターの道へと思いを駆り立たせるのも、無理はない。しかし、芽生えかけたその夢のつぼみを、摘み取ってしまったのも、彼女自身だった。「ある日、オーディションのために録音した自分の歌を聴き、ショックでした。歌に自分らしさがなく、ただのコピー。それと発声もしっかりできていないし…今までは自惚れに過ぎなかった」―1人の歌手が誕生した瞬間である―この日を境に、由佳はひたすらに歌の練習へとのめり込んで行くのであった。

第2フレーズ:One note jazz
 高校を終えた由佳は、ゴルフ場で1年勤めたが、歌に専念するために退職。その数日後、古風で小さなジャズバーが、歌い手を募集しているのを見つけた。ジャズに特別興味があったわけではない。でも、「歌えるなら!」と気軽に応募。そこで課題曲として手渡されたのが、レイ・チャールズのヒット曲“Georgia on my mind”。フランク・シナトラ盤なども聴き調べ、彼女なりに歌いこなした。そこで店員兼シンガーとして採用された由佳だが、まだまだ歌一本で生活できる身分ではない。余儀なく昼はOLをし、そして夜はジャズの世界へと、二つの顔をあわせ持つ生活が始まった。

第3フレーズ:Everything happens to her
 由佳が得意とするのは、スタンダードナンバー。そのレパートリーが増えるにつれ、ジャズの持つ底知れぬ魅力により一層引き寄せられ、いつしかジャズとは切っても切れない仲に…。そして1年が過ぎた頃、店で知り合ったピアニストの誘いで、ホテルのラウンジで歌い始める。それがきっかけとなり、数々のミュージシャンと繋がりができ、高級クラブのステージにも立つようになった。
 ではジャズ漬けなのかと思いきや、決してそうではない。コマーシャルやテーマソングの吹き込み、またジングルシンガーとしても売れている。成人式などでアカペラを唄っていた時期もあった(その時のユニット名がavi)。

第4フレーズ:Over the rainbow
 aviは、新曲に出会うたびに歌詞を訳し、その心情やシーンなどを自分なりに思い描き、発音はCDやテープから学び取るようにしていた。だがある時、海外からの友人にRとLの発音ができていないことを指摘され、愕然とする…が、そこで一念発起、海外留学を決意した。
由佳は今年の1月カナダへワーホリで入国すると、まずESLへ。そして授業の後、ピアノラウンジなどに名刺を差し出し、 歌える場を一人探し求めた。ホテル“The Yale”で催されたジャムセッションにも飛入りで参加。そこで賞賛してくれたカナディアンに、とある1軒のバーを紹介された。ここではブルースの“Route66”をジャズ調で披露、大きな反響を呼ぶ。
 ESL修了後aviは、これからの活動資金や生活費を稼ぐため、ギフトショップでアルバイトを始めた。その合間を縫って配る名刺の数は日ごとに増えている。この努力が報われるのは、そう遠くはないだろう―ある時は軽快に弾み、ある時は哀愁を帯びる、その魅惑的な歌声が、メロディーを奏でるステージという夜空で煌くその日まで…。
【この取材の時点でaviは、未来のボーカリストにチャンスを与えようと企画された『Japanese Dream Audition』に参加するための準備にも大わらわであった。】

 



  「めぐり逢いに感謝してます。私の未来に大きな希望を与えてくれるジャズに…」

―なぜカナダを選ばれたのですか?
由佳:日本でカナダ人と友達になり、ジャズのことも含めてカナダについて色々聞かされていましたし、ジャズ発祥の地アメリカに近くて、ワーホリ制度もあるので。

―aviさんが惹きつけられたジャズの魅力って、何でしょうか?
由佳:最初ジャズって、ドロドロした昼ドラのようなイメージでした。でも、歌詞を辿ってみると、意外にストレートだったりオシャレだったり…。でもこれが、一端旋律と触れ合うと表情が変わり、そのコトバが息づき、意味ありげに躍動するんです。見る人によりイメージが異なる抽象画のように、聴く人・歌い手によりさまざまに変化する。私のイメージで歌って、共鳴してもらえたら。そんなことができるのは、ジャズだけではないかと思って、はまってしまって。

―カナダでもプロダクションに所属することは考えておられないのですか?
由佳:はい。お店と専属契約ができれば、それに越したことはありませんが、こちらでは、歌でお金を貰おうとは思ってないんです。あくまで経験を増やし、勉強させてもらうためなので。日本では、歌手として少し自信があっても、こちらで自分の力がどこまで通用するのか分からないので、それを試してみるのが先決。カナダで色々な国のミュージシャンから刺激を受け、今後の歌手生活に役立てるようにしたいですね。

―今までに、挫折されたことはありますか?
由佳:ええ。お客さんにお金を頂いているのに。もっと上手く歌えないだろうか、どうすれば…。それを考え、悩み続けていたら、ますますまとまらなくなり…歌いたくない。歌えない。止めようかな…それで1ヵ月お店を休ませてもらったこともあります。

 

―将来の展望はどのようですか?
由佳:日本では、今まで一緒にやってきたミュージシャンたちが、受け入れ態勢を取って待ってくれています。彼らの期待に添うよう一所懸命カナダで頑張り、帰国したらジャズシンガーだけの顔を持ち、そしていずれは、音楽教室も経営したいですね。そうしておばぁちゃんになった時には、どろ〜っとジャズを歌っていたい。お酒など飲みながら。でも今は、『Japanese Dream Audition』が目前の標的です。

【しっとりとした大人の風情漂う第一印象だったが、話せば話すほどイメージが変わる。たった1度のインタビューでは、その魅力のすべてを引き出せない奥深さを秘めている。まるで、ジャズのように…】

―最後の質問です。ジャズシンガーaviさんにとって、ジャズとは何でしょうか?
avi:「あ〜やられたぁ、こいつに出会って人生変えられちゃったなぁ!」って奴です。でもいい奴なんです。めぐり逢いに感謝しています。私の未来に大きな希望を与えてくれるジャズに…本当にありがとうって!

聞き手・三木唱平

 


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