モントリオール&フランス
 
ヨーロッパの香り漂う
モントリオール発

英仏それとも仏英!? 言語警察って何?
モントリオール通信員:wakame

 カナダにワーキングホリデーで訪れるにあたり、モントリオールやケベック州の都市は、仏語圏ということから比較的敬遠されている、と聞いたことがある。街中はどこもかしこも仏語しか通じないの? という疑問をお持ちでしょうか。でも心配ご無用! モントリオールのビジネスが集中するダウンタウンでは、英仏バイリンガル人口は80%近くに達する。また、英仏語に加えて、他言語を話せるトリリンガル率も非常に高い。せっかく仏語を勉強したから、実際に使ってみようかなと買い物に行ってみるが、あえて英語で返事をされるなんていう経験をした人もきっと少なくないだろう。よって、上記の事情からわかるように、仏語が全く話せなくても不自由することはないのだ。
 他州では、英仏両方が公用語となっているところもあるが、ケベック州は仏語のみ。それに伴い、言語に関するあらゆる「こだわり」がある。州としては、市民になるべく公用語を多く話してもらいたいという希望が前提にあり、それを実現すべく、通称「言語警察」といわれている政府機関が厳しい取り締まりを行っている。
 例えば、看板や公共に出すもの、張り紙すべてにおいて、仏語にて表記をしなくてはいけないという規則になっている。また、仏語以外の言語を表示する際には、仏語が目立つようにして書かなければならない。この規定は、非常に細部に渡り決められていて、レストランのメニュー表記から企業が配布する無料販促物なども仏語表示しないといけないことになっている。
 それにしても、何よりも不思議なのは、もともと英語系の企業なのだから、商標も英語しかないはずなのに、無理やり仏語表記にしなくてはいけないという点。例えば、ケンタッキーフライドチキン。KFC (Kentucky Fried Chiken) なのに、それを仏語にするとPFK (Poulet=チキン Frit =フライのKentucky)。まぁ、とにかくこの規定を守らない企業は、この機関から指摘を受け、従わない場合には立派に罰せられる。どっちでもいいじゃない? と思いつつ、ここまでしつこく追求するそのこだわりが、個人的には割りと好きだ。

ケベックフランス言語局ウェブサイト: http://www.olf.gouv.qc.ca/index.html



KFCはPFKとあえて仏語表記している。フランスでさえKFCとなっているのに・・・。
 
自由と平等と博愛の国
フランス発

プロヴァン〜中世時代祭り
パリ通信員:yougong

 パリから1時間、イル・ド・フランスに位置するプロヴァンは、11世紀の歴史建造物が今も良い保存状態で残る、世界文化遺産の指定を受けた街である。観光事業にも力を入れているプロヴァンで、毎年6月に2日間に渡って開催されるのが『中世時代祭り』。各地からこの伝統的なお祭りを見物しようと7千人もの観光客が訪れるそうである。中世時代風の衣裳を着ていると、入場料(8ユーロ)が無料になるというので、パリ東駅のホームの時点ですでに、なかなか気合の入った衣裳を身にまとい、祭りに向かう人々を見かけた。
 さて、プロヴァンに到着すると、見渡す限り、のどかな田舎の風景が続いている。小さな商店街を抜けて山の手方面を歩いていくと、周りを取り囲む旧い城壁が目に入ってきて、一歩城門をくぐると、そこは完璧なまでの「中世の街」であった。当時、この街はヨーロッパ流通の要所であったらしく、フランドル地方の綿業者、東方のスパイス商人、トロイのキリスト教徒のような詩人や知識人が交流していたという。その時代に繁栄した定期市を偲ばせるかのような店が、街のいたるところに出ていた。街の住人ももちろん騎士、庶民、王族といった、さまざまなスタイルに変身して観光客をもてなしていて、通りを歩いて街並をのんびりと眺めるだけで、充分に楽しめる。
 広場では、これまた中世時代のイベントが目白押し。中世の決闘シーンを再現した騎士対決、庶民の見世物小屋、昔ながらのリンゴジュース造りの実演など、滅多にお目にかかれるものではないだろう。
 当然のことながらプロヴァンにも観光名所が存在する。主に、12世紀の建築物を中心に、周辺地方の歴史に関する作品を収めたロマネスク様式の博物館、シャンパーニュ伯爵の権力の象徴であったセザール塔、地下トンネル…。14世紀に入ると金融都市として栄えていたこの街も度重なる戦争や伝染病の流行など、さまざまな原因から衰退の一途をたどっていき、田舎の奥に孤立した、歴史の流れに取り残された街になっていったということだ。城壁上部散策コースの出発点でもあるジューイ門から自然の風景と見事に融合した、この素晴らしい中世の街並を一望すると、本当にタイムトリップして中世時代にやって来たかのような錯覚に陥る。そして、祭りのクライマックスともいうべき街の人々による一周行進は、スペクタクルのごとく圧巻である。



チビすけもいっちょ前に変身!   城壁から見たプロヴァンの街並