ケアンズ・ガールズ・ホステルの夜
ケアンズ通信員:EMI TORIDA
私が乗ったグレイハウンドバスは、予定より約一時間遅れでケアンズに到着した。バナナや砂糖きび畑ばかりの風景に飽きてきた頃だったので、久々に見る文明社会は新鮮に映る。
冷房の効いたバスから一歩外に出ると、むっとした、熱帯特有の湿った空気に包まれた。海と森のにおいの混じった、不思議な香りがする。そう、このケアンズにはサンゴ礁からなるグレートバリアリーフと、キュランダ熱帯雨林という、二つの世界遺産があり、豊かな自然が、世界中からの観光客を魅了する。
宿泊先はケアンズ・ガールズ・ホステル。女の子だけの快適なホステルだ。この宿の情報は、ゴールドコーストで立ち寄った、日系の旅行会社に置いてあった落書き帳の中で見つけた。そのぼろぼろになった落書き帳には、今までそこに立ち寄った、何十人もの思い思いの情報が書き込んであった。ガイドブックにも、インターネットにも勝る情報源だ。
一泊19ドル、一週間90ドルでベッドが一つ与えられ、キッチン、バスは共同。広いリビングがあり、テレビを見たりインターネットをすることができる。(1ドル=74円、04年6月現在)
ケアンズに来て最初に驚いたのが、家賃の安さだった。アパートのシェアなら一週間80ドル以下、ワンベットルームなら100ドル前後で手に入る。シドニーの約二分の一の水準だ(オーストラリアでは家賃は週単位が基本)。もっとも、オーストラリア全体を見ても、シドニー都市部だけの家賃が突出して高く、そのほかの都市ではケアンズと同水準か、少し高いぐらいであろう。ベッドが5つある大きな部屋に、日本人ワーホリばかりが集まった。
元社会福祉士で、病院勤務を目指す英語堪能なアッコ、小学校教師で、アボリジニー(オーストラリア先住民)の孤児のためのボランティアに情熱を捧げる智恵、ダイビングライセンスを持ち、インストラクター免許を取るために日本からケアンズに直行してきたさくら、私とは反対周り、西オーストラリアのパースから車でキャンプしながらやってきたユカ…。同じ部屋の住民とはいえ、つかず離れずのいい関係で毎日を過ごしている。誰もが質素で贅沢一つしないが、自分の夢にとても真剣で、生き生きと暮らしている。

ガールズホステルの住民たち
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