モントリオールという名前の発祥の地『モンロワイヤル』
モントリオール通信員:wakame
長い長い冬を終えて、やっと春らしくなったこの頃。街角のカフェでは、テラスも出始め、ちょっと日が差していればすぐに外の風と陽を浴びたがるモレアレー(仏語でモントリオール人)たち。最良ながら短いこの季節の陽気を、冬の分まで蓄えておこうという彼らのエネルギーがなんとなく伝わってくる。モントリオールという名前の由来は、「Mont Royalの丘」から来ている。1535年に仏人探検家ジャック・カルチェが地元先住民の先導のもと、小高い丘の頂へ登り、そこから見た景色の素晴らしさから山の名前が付いた。後に転じて街の名前もMontrealとなったというのが有力説。
モンロワイヤルは、絶好の散歩道。「山行こうか?」と言えば、私たちの間ではこの丘のことを指す。途中、ジョキングする人やサイクリストに追い抜かれながら、久々に会う友達と積もる話をし合うなんてことも。時おり観光馬車の馬が落としていったお土産!?も見受けられるがそこはご愛嬌。最後に迎えてくれるのは、人馴れしたリスたち。ゆっくりと歩いて頂上まで40分。ダウンタウンのビル群やセントローレンス川が見渡せて何度来ても爽快な気分になる。そこにはシャレーという建物があり、売られているメープルアイスクリームは散歩後にうってつけのおいしさ。冬も、クロスカントリーやスケート、ソリすべりもでき、1年中市民に親しまれている。
世界的に有名なローレンシャン高原の紅葉が終わるころ、この丘の紅葉が見ごろとなる。ちょうど10月15日過ぎからだろうか。ここの紅葉は結構馬鹿に出来ない。メープルやナラの木々のアーチをくぐりながらの散歩は格別。ツアーガイドをしている私は常々思うことがある。「どうしてここを、日本人ツアー用の紅葉ミニハイキングとして日程に組み込まないのだろう」(逆にそんなことになったら、それはそれで地元市民にとっては歓迎できない話なのか…)。この丘の紅葉が終わると冬本番になる。丘の表正面と言われている東側のふもとには、通称「タムタム広場」があり、週末になるとそこには大勢のモントリオール人が集まる。太鼓の音に乗って踊る人垣の傍らで、あやしい“葉っぱ”の香りも漂ってくる!
そんなモンロワイヤルは私たちの生活の一部だと言える。この丘が嫌いだというモレアレーがいたとしたら、それはきっとニセモノに違いない。

丘の展望台から見る風景。市の建物規制で、ビルはこの丘の頂上よりも低い
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