cacaとフランス人の奇妙な美的感覚
パリ通信員:yougong
華の都パリ。世界中の人々が毎日のように訪れ魅了されていく街。しかし、よく観察してみるとかなり汚い街でもあるのだ。シャンゼリゼなどの大通りからちょっとわき道にそれると、至るところでゴミ・ごみ・チリの山。使い終わったメトロの切符、煙草の吸殻、読み終わった新聞、食べ散らかした後の紙くず…何でも平然と捨てられている。もちろん公共のゴミ箱は一定間隔で設置されているのだが(実によく見かける)、ほとんど役に立っていないと言っても過言ではない。
それだけではない。“フン”づけてみなければ気がつかないことだが、パリの通りという通りには、なんと「caca(うんち!)」 の多いことか。もちろん犬の大便のことだが、中には大量・テンコ盛り状態のcacaもあり、意識して下を見ながら歩かないと足元はたちまち悲惨な状態になってしまう。特に注意しなければならないのが雨上がりの芝生であろう。青々と茂った芝生を隠れ蓑にあちこちと点在していて、雨が原因で流れだし、泥と混じってパンツの裾は文字どおりクソまみれになってしまう。
フランス人の美意識は少しずれているかも…と疑問を抱きはじめた頃、生粋のモロッコ人でフランスに住むある女性は「私はフランス人ではないと」と前置きした上でこう言い放った。「もーお、フランス人は超不潔。週にシャワーは2回、お風呂には1回しか入らないんだから!」しかもその“お風呂に入る”というのが風呂用手袋(スーパーの定番アイテム)で顔・首をちょちょいのちょいっ!と拭くだけだというのだ。『うげっ、本当なん…?』そういえばホームステイをしていた時、マダムは一体いつ風呂に入っているのかふと考えたことがあったなあ。息子は息子で4日間同じシャツを着ていたのも鮮明に覚えている。しかも老若男女を問わずこっちの人は香水好き。それも香りを楽しむなんて洒落た理由ではなく単に臭い隠しのためだったのか!? 今まで憧れていた“おふらんす”に対するイメージがガラガラと崩れ去っていくのを感じながら、それでも容姿はもちろん、歩く姿も美しいパリジェンヌはたとえゴミにまみれても絵になるのだと自分に言い聞かせる。颯爽と街を歩く彼女たちは、思い思いの匂いをプンプンさせながら本能的にcacaをよける術を身につけているのである。

昼下がりのリュクセンブール公園。さすがにcacaは見当たらない
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