皆様からのリクエストにより、今回、なんと巻頭特集ページに返り咲きした(1回きりだけど…)「Oops!探偵団」。これまでに探偵局に寄せられた数々の依頼書を前に、調査を再開することを決意したのだ。
 今回は、探偵局一同が初心に返り、「確かにそんなことを不思議に思っていたなぁ…」というような、新顔さんたちからの依頼を取り上げることにした。
 調査に繰り出すのは、この2人。探偵“みやまん”と“ツボ”だ。2人とも、道草食ってないで、ちゃんと調べてきなさいよ〜!!
取材・文/宮之原 健司 加藤 恵子

探偵“ツボ”(写真上左)
●趣味は、アンダーグラウンドHIPHOPを聴きながら、幸せな妄想を描くこと。そして、世の中はお金より愛だと信じて、ドラマティックな愛ある生活を探求すること(本当か?)。そんなピチピチ女探偵が、バンクーバーの街を翔ける。その笑顔を武器に(みやまんの分も)頼むわよ、ツボ!!

探偵“みやまん”(写真上右)
●黙っていれば悪くない風貌だが、しゃべりだすと「頼りな〜い!」と局内で罵倒される始末のこの男。「今回は、お願いだからスベラないでね」。そんな局長の不安を煽るかのように「だいじょうぶっス。“連れ”がついてますんで」(オイオイ、本当にだいじょ〜ぶ?)。

  バンクーバーに来て3ヵ月が経ちました。現在、ホームステイをしています。ステイ先は大当たりで、ホストファミリーはすご〜く親切!毎日ある程度の会話をするように心がけているので、英語にはだいぶ慣れてきました!でも、ジェスチャーを交えながら、やっとコミュニケーションが取れるレベルなので、相手にちゃんと伝わっていないこともあると思います。しかもこのジェスチャー、ホストファミリー以外の人たちに使ったら、通じるのかどうか…。そこで、探偵さんに調べて頂きたいのです。日本人が使うジェスチャーって、一体どこまでカナダ人に伝わっているのか。
日本人が使うジェスチャーねぇ。もう少し具体的に書いて頂けると助かるんだけど…って、大切な読者様にそんなことを言ってはいけませんね。僕も、横断歩道で車が譲ってくれた時、「ペコリ」ってお辞儀をしてしまうんだけどね。あと「一杯どう?」とかよく使っていたなぁ。カナダでそれが伝わるのか? 僕もちょっと気になってきたところで、早速、調査開始といこうじゃないの!


そういやこんなジェスチャー、あったわね
 ジェスチャー。普段から使っているものだから、ポンポンと出てくるかと思いきや、改めて考えてみると、あんまり出てこないんだな、これが。やっぱり無意識のうちに使っているからなんだろうな。むぅ、仕方ない。とりあえず街に出て、日本人らしき人をつかまえて、聞くとするか。  「どんなジェスチャーを使ってますかー?」と質問すると、皆軽く「う〜ん」と考える。そして出た答えが「お辞儀、内緒だよ(口に人差し指をあてる)、ちょっと失礼、お願い!! (両手をあごの下で合わせる)、彼氏・彼女(親指、小指を立てる)」等々。さらに、旅行中のオバ様団体、いや、オジョウ様たちから、若者の間では使わないと思われる「鬼のマネ(子供を叱る時に使うらしい)」を教えて頂いた。    調査中、「調べてどうするの?」という逆質問に、「これをカナダ人に試そうかと」と答えたら、「日本のアニメや映画とか人気みたいだし、結構通じるんじゃないの?」と言われてしまった。んー、しかしそれではツマラナイ。突拍子もない答えを期待したいのだが、果たして…。 
 


「絶対に(カナダ人に)通じないジェスチャーを教えたる」そういって街中で実演までして頂いたのですが…


任務完了!?
 さて、データは揃った。後はこれをカナダ人に試すだけ。とりあえず、片っ端から声をかけてみるとするか…。しかし、「ジェスチャーの意味を変な風にとられて、相手が怒ったらどうしよう」と、いつものマイナス思考が頭をよぎる。という訳で、いつでも逃げ出せるよう、相手と距離をとり、数人に試してみた。「このジェスチャー(ご飯を食べよう)判ります?」「食べる、でしょ??」正解。「じゃ、これは(困ったなぁ)?」「難しい、でしょ??」正解。ムムム、正解ばかり。ここで渾身の一発「じゃぁ、これは(ちょっと失礼)どうだ!!」「Excuse me??」正解。まさか、これが理解できるとは!! そして別れ際、「俺のルームメイトは日本人なんだよね」の一言。ナットク。マズイ、正解正解正解だらけ。少しは間違ってもらわなくては、ちっとも面白くないんですけど。探偵、諦め半分で「これ(お願い)判ります?」「ハロー、でしょ?」「えっ、今何と?」「だから、ハロー」。フッフッフ、そう、この答えを待っていたのだ。気分を良くした探偵、さらに数人に調査を続けた。「これは(こっちに来て)?」「あっちに行って、かな??」探偵、「こっちに来て、です」と得意げに答える。当初の心配とは裏腹に、皆、結構興味を示してくれたので、調査は順調に進んだ。しかし、任務を終えようとしたその時、「ソウイエバ君ハ何者ナンダ?」「えっ!? ボクですか?? Oops!のライターです」。その瞬間、彼の表情が曇った!! 訳が判らず、困惑する探偵。ナゼだ?? 私が何かしたというのか?? と考えているうちに彼は去って行ってしまった。

   
        ユニークな答にご満悦(失礼)の探偵。しかし、その後に…


ナニガモンダイナンダ!?
 ひとつの疑問が残った。楽しく雑談していたはずなのに、ナゼ最後に、彼の表情が曇ったのか?? 私が「Oops!のライター」と名乗ったからか??
  あぁ、判らない。同じシチュエーションを再現できれば、何か判明するかもしれないと考えた探偵。近くにいた、ホッケーを教えているという優しそうなコーチに、同じ質問をしてみた。まずは、調査結果から導き出された、正解率100%の判りやすいジェスチャーから始め、相手を乗せた。これでムード作りは完璧! そして程よい所で礼を言って、立ち去ろうとする探偵。すると「トコロデ君ハ何者ナンダ?」。来た! 先ほどと同じシチュエーション。前回の記憶が蘇り、やや緊張気味の探偵。少々どもりながら「えっ!? ボクですか?? Oops!のライターです」。その瞬間、やはり!? コーチの表情が曇る。怖いが仕方ない、これも任務。恐る恐る理由を聞いてみた。「あのぅ、ボク何かしましたか?」「キミ!! イマ、中指ヲ!!!!!」え゛っ!!! ここでやっと判った探偵。先ほどの彼を、そして今回のコーチを憤怒させてしまっ原因が。

 


「すいません、悪意はないんです」その後、必死に保身を図った探偵

「ご飯を食べよう」、「1杯どう?(写1)」「困ったなぁ(写2)」といったジェスチャーは100%通じた。その他「内緒だよ」、「ちょっと失礼」は通じたり、通じなかったり。「こっちに来て(写4)」はちょっとややこしいようで、これをカナダ人は「Go away」だと思ってしまうらしい。全く通じなかったジェスチャーは「お金(写5)」「彼氏・彼女(写3)」「〆て(お勘定は、カナダ人はサインをするマネをするらしい(写6)」など。  そして取材中に判明した重要なことは、「中指には気を付けろ」ということ。僕のように中指で自分を指してしまう人も、多いはず。また、中指だけでメガネを直す、という仕草も気になるという人もいました。最後に、一番よく使われるジェスチャー「お辞儀」は、「ありがとう、でしょ!?」「ハロー、でしょ!?」と、良い意味のジェスチャーとして理解されている模様。安心しました。これなら積極的に使っても大丈夫…なハズ。という訳で、僕は今まで通り、車が止まってくれたら「ペコリ」と頭を下げます。以上です、局長!!